固相抽出の選定

イオン交換SPE

Ionexchange Methodology

図 ionexchange

イオン交換作用で保持するには対象物質と固相の両方がイオン解離状態でなければなりません。このとき試料溶液の正しいpH調整が重要です。塩基性試料では対象化合物のpKaよりpHを2以上低くします。酸性試料では対象化合物のpKaよりpHを2以上高くします。

また、溶出では対象化合物のpKaに対してpHを逆にを調整します。 対象化合物もしくは固定相のpKaに従いpH調整を行い、どちらかのイオン解離を止めて静電作用を切り離すことで対象化合物が溶出します。

注意:
イオン交換モードでは、試料と固定相間での物質移動は逆相や順相モードよりかなり遅いので、流速は(1滴/秒)以下にしてください。 また、溶出や洗浄液量の増加が必要な場合があります。


イオン交換 & ミックスモード SPE
保持メカニズム:

イオン化した固定相および対象化合物のイオン性官能基の静電相互作用
ミックスモードの固定相は、逆相とイオン交換両方の機能を有します。

試料:

水系または有機溶媒系で低塩濃度(<0.1M)の試料

  • 生体試料(血漿・血清・尿)
  • 有機合成試料
分析対象物質:

イオン性を示す化合物

  • 陰イオン交換; カルボン酸、スルホン酸、リン酸基などを持つアニオンを保持します。
  • 陽イオン交換; 1級、2級、3級、4級アミンなどのカチオンを保持します。
溶出:

静電相互作用を切る溶液:

  • pH調整で固定相もしくは対象化合物のイオン解離を抑制します。
  • 塩濃度を高める(>1M)。もしくは、より強い相互作用のカウンターイオンを使用します。
アプリケーション
  • 生体試料中の医薬品や乱用薬物
  • 食品や農産物試料中の脂肪酸除去
  • 合成反応物の精製
  • 尿中の有機酸
  • 土壌中の除草剤

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イオン交換 & カウンターイオン選択性:

固定相の選択性は、対象化合物と他のイオンとの競争です。 試料もしくは試料調整液を対象化合物より弱いカウンターイオンにすると固定相への保持を促進します。 対象化合物の溶出は対象化合物のカウンターイオンより選択性の高いバッファーにより促進されます。

陽イオン交換のカウンターイオン強度:
○ Ca2+ > Mg2+ > K+ > Mn2+ > RNH3 2+ > NH4+ > Na+ > H+ > Li+

陰イオン交換のカウンターイオン強度:
○ ベンゼンスルホン酸 > クエン酸塩 > HSO4- > NO3- > HSO3- > NO2- > Cl- > HCO3- > HPO4- > ギ酸塩 > 酢酸塩 > プロピオン酸塩 > F- > OH-

選択性の高いイオンに変えるには、1N-カウンターイオンの新たな溶液を充填量の2~5倍流します。選択性の低いイオンに変えるには1N-カウンターイオン溶液を充填量の5~65倍流します。


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基本操作

1. 試料調整  試料の塩濃度を0.1M未満にしてください。試料の希釈は、対象化合物のイオン解離に適合するpHのバッファーで1:1に調整します。

例:
○ 塩基性化合物: 10-25mM バッファーでの希釈 (例えば: リン酸カリウムまたは酢酸アンモニウム), pH 3-6
○ 酸性化合物: 10-50mM バッファーでの希釈 (例えば: 酢酸緩衝液), pH 7-9

生体試料などの妨害成分を多く含む試料は、高濃度で多くの種類の塩を含んでいます。 このような場合には、ミックスト・モードSPE技術をご利用ください。

2. SPEのコンディショニング/平衡化  試料が無極性溶媒に溶けている場合、SPEカートリッジを試料と同じ溶媒でコンディショニングします。 試料が水溶液の場合、メタノールかアセトニトリルでチューブボリュームの1~2倍量流した後、試料調整で用いたバッファーでSPEカートリッジを平衡化します。

3. サンプルロード  調整した試料(1.参照)を1~2滴/秒の一定速度で確実ロードし保持させます。 イオン交換SPEでの物質移動速度は逆相や順相モードより遅いため、流速調整は安定した回収率を得るのに重要です。

4. 洗浄  対象化合物の溶出を防ぐために適切にpHとイオン強度を保ちます。適切なpH(例えば,
試料調整で用いたバッファー)を使用して、極性化合物の妨害を除去します。 更に、試料調整で用いたバッファーをメタノールで希釈し使用すると、より疎水性の妨害物質除去が可能です。

5. 溶出   溶出は1~2滴/秒の一定速度で実施してください。一般的な溶出法はpH調整です。また、多くのイオン交換体は何らかのミックス・モードの性質を示すため、有機溶媒を添加し2次的逆相相互作用を切り離します。

例:
○ 塩基性化合物: 2-5% 水酸化アンモニウム in 50-100% メタノール
○ 酸性化合物: 2-5% 酢酸 in 50-100% メタノール

その他の方法:
○ より高い塩濃度 (> 1M) の溶出液を使用してください。
○ より強いカウンターイオンを使用し、対象化合物のイオン交換結合を切り離してください。

6. 溶出液の調整  多くの溶出液(方法)が使用可能ですが、分析機器に最適な溶液(方法)を選択してください。

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