固相抽出の選定

Supelco, 逆相 SPE - シグマ アルドリッチ ジャパン Sigma-Aldrich Japan -

~前処理、色素除去等~

図 reversephase

水系試料/溶離液条件

逆相モードのSPEは、順相やイオン交換と比べ選択性が劣ります。 言い換えると、逆相相互作用では類似構造の化合物を分離するのは困難です。 ただし、試料中の疎水性化合物全般を抽出するのに最適です。


逆相 SPE
保持メカニズム:

疎水性相互作用

  • ファン・デル・ワールスや分散力
試料:

水系試料

  • 生体試料(血漿・血清・尿)
  • 組織の水系抽出物
  • 環境水試料
  • ワイン、ビール、他水系試料
分析対象物質:

無極性の性質を示す対象物質

  • 多くの有機化合物
  • 芳香管、アルキル、アセチル基を有する化合物
溶出:

疎水性相互作用を切る無極性溶媒や混合溶媒

  • メタノール、アセトニトリル、ジクロロメタン
  • バッファー混合溶媒
アプリケーション

生体試料中の医薬品や代謝物

  • 水環境の汚染物質
  • 組織や固体からの水系抽出物

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基本操作

1. 試料調整  生体抽出液などの妨害成分が多い試料はバッファーでサンプルを1:1に希釈します。 イオン性化合物を処理する場合pH調整が必要な場合があります。 対象化合物がイオン性の場合、pH調整で保持や溶出が大きく変わります。

イオン解離をしない分子型化合物は逆相モードで強く保持されます。 カルボン酸のような酸性化合物はpH2もしくはpKa以下に調整すると解離せず分子型となります。 組織や固体試料を処理するには、事前にバッファーを用いてホモジナイズや固-液抽出を行ってください。 無極性の溶媒(メタノールやイソプロパノールを含む)は、対象化合物を組織(固体)との相互作用を切り離し溶媒に抽出します。

また、妨害成分を除去するため、固相抽出の前に遠心分離、希釈、フィルター処理が必要な場合があります。

2. SPEのコンディショニング/平衡化  コンディショニングは試料と固定相の相互作用を確実にするため固定相を濡らし活性化する作業です。 一般に逆相充填剤のコンディショニングは、チューブボリュームの1~2倍量のメタノールやアセトニトリルなどの水と混和できる溶媒を用います。

平衡化は、コンディショニング溶媒を排除し試料負荷量を高める作業です。 チューブボリュームの1~2倍量の水やバッファー(試料調整と同等濃度)の使用は平衡化に良い選択です。

3. サンプルロード   調整した試料(1.参照)を1~2滴/秒の一定速度でロードし確実に保持させます。

4. 洗浄  多くのケースにおいて、サンプルロードの後では妨害成分は対象化合物と共に保持されています。 洗浄工程は妨害成分を溶出させるのに必要です。 一般的な洗浄液は、コンディショニングで使用したバッファーや5~20%メタノール/水溶液です。

5. 溶出  有機溶媒や混合溶媒で固定相と対象化合物の疎水性相互作用を切り離します。 チューブボリュームの1~2倍量のメタノールやアセトニトリル等を使用します。

溶出液のpH調整はイオン性化合物の回収率改善に期待できます。 塩基性や酸性化合物がイオン解離すると極性が高まり逆相相互作用が弱まります。 このような場合、弱い溶出溶媒や少ない溶媒量で溶出させることが可能です。

6. 溶出液の調整   LC分析の前に溶出溶媒を蒸発させてHPLCの移動相へ再溶解が必要な場合があります。 GC分析でも溶出液の濃縮や揮発性の高い溶媒に切り替えが必要な場合があります。

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追加情報

  1. 薬剤-タンパク質の結合は試料調整の段階で切り離します。
    調整例:
    • 40 µL 2% 2ナトリウムEDTA / 100 µL マウス血漿
    • 40 µL 2% ギ酸 / 100 µL マウス血漿
    • その他の試薬;( / 100 µL マウス血漿)
      40 µL 2% TCA, 40 µL 2% 酢酸, 40 µL 2% TFA, 40 µL 2% リン酸, or 200 µL MeCN (除タンパク.).
  2. SPE溶出液を分析の前に蒸発させる必要があるなら、洗浄工程の後でSPEチューブを10分間真空引し空気で乾燥させます。 これにより水の影響を抑え蒸発時間を短縮します。
    • 試料のロードや溶出は、ゆっくりとした一定速度(1~2滴/秒)で行うと回収率や再現性が高まります。
    • 最適な保持容量に合せて充填量を減らすと溶出液量を減少できます。
    • 高い極性の化合物の抽出には充填量の増やす必要があります。
    • メタノールでのコンディショニング後、過剰な吸引による固定相の乾燥に注意してください。
    • コンディショニング前にジクロロメタンや溶出溶媒でSPEを洗浄するとチューブの不純物を除去できます。

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