有機合成化学

ヘテロ環アライン前駆体:多官能性インドールおよびピリジンの新規合成法

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はじめに

多官能性ヘテロ環化合物の効率的な新規合成法の開発は、有機合成化学の重要な課題です。特に、創薬化学においてprivileged structureとされているピリジンおよびインドール類を合成するために、ヘテロ環アラインを経由する合成法が有用な手法として開発されています。この手法は、以下に示すようなシリルトリフラートを有する”インドリン”前駆体1や”ピリジン”前駆体2,3,4を出発原料とすることで容易に実現することが、Neil Garg教授らにより最近報告されています1-3

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利点

官能基化ヘテロ環化合物の合成法は多数知られていますが、ヘテロ環アラインを利用する利点は、一般的なビルディングブロックをアラインでトラップして化合物ライブラリーを作成できることです。炭素やヘテロ原子求核剤がアラインに求核付加して、ひとつの置換基が導入されます。ipso-置換体とcine-置換体の両方が生成物として得られますが、クロスカップリング反応と相補的な役割を果たす反応です。二置換体は、様々なσ結合挿入反応、金属触媒反応およびジエン、アジド、二トロンとの付加環化反応などにより達成されます。また、反応は穏やかなフッ素ベース条件で進行し、一般的なドラフト内で実施できます。ハロゲン化物やその他のカップリング反応の基質にも適用できます。ハロゲンがアラインの近くに存在する場合、反応のレジオ選択性が影響を受けやすくなります。

主な利用例

  1. 2010年、Gargらは、Dield-Alder反応やアジド付加環化反応により1、インドリン前駆体から置換インドールが合成できることを報告しました。

  2. ピリジン誘導体は、求核的トラップや付加環化により得られます2。3,4位-置換ピリジンからは、レジオ異性体混合物が生成物となりますが、5-ブロモ体はレジオ選択性が高く、変換反応に適した前駆体です。

  3. ブロモピリジンをジメチルイミダゾリジノンでトラップすると、興味深い環状化合物が得られます2,3。このピリジルブロミドはPd触媒反応により3,4,5位-三置換ピリジンへ変換されます。また、臭素は還元的に除去することも可能です。

  4. 2,3位-置換ピリジンは新規ピリジン誘導体を合成するための有用なビルディングブロックです3,4

 

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