有機合成化学

BisPhePhos XD 金(I)クロリド:高効率で広く適用可能なカチオン性金触媒

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はじめに

金はイオン化傾向が小さく、金の塩は容易に還元されて単体の金となります。このため、金を触媒として用いる反応は長らく発展せず、未開拓の分野でした。しかし21世紀に入り、カチオン性金錯体の反応、中でも付加反応の研究例が急増し、「ゴールドラッシュ」ともいわれる状況になっています1-3

ただし今までに知られた反応では、多量の金触媒を使用せねばならないケースが多く、大スケールの合成には向きませんでした。こうした金触媒を、有機合成化学者にとってより使いやすいものとするため、GB HammondとBo Xu両博士の研究室では、広く利用可能な新しい金の触媒前駆体を開発しました。この触媒前駆体は、ppmレベルの添加量で反応が進行するほど触媒回転数が高く、室温あるいはやや加熱する温和な条件で反応が進行します。

また、この触媒前駆体の利用には、不活性ガス雰囲気や特別な精製溶媒を必要としません。開放系で、市販溶媒を用いても問題なく反応が進行するのは、この触媒前駆体の大きな利点です。

Aldrichは、この新規な金触媒前駆体であるBisPhePhos XD Gold(I) Chloride(L5118464を、Hammond研究室(ルイビル大学)とXu研究室(東華大学)の協力の下にご提供いたします。

BisPhePhos XD Gold(I) Chlorideの構造

利点

  • 幅広い範囲の金触媒反応に適用可能
  • 少ない触媒使用量(多くの場合、ppmレベル)
  • 温和な反応条件、(多くの場合、室温)
  • 通常の実験室環境で取り扱い可能

主な利用例4

BisPhePhos XD Gold(I) Chlorideの反応例

本記事の作成にご協力いただいたGB Hammond教授とBo Xu教授に感謝いたします。

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金触媒については左記のページもご参考ください。
     
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