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有機合成化学

Fro-DO:四級炭素-炭素カップリングに用いる新規な配位子

KitAlysis™ ハイスループット スクリーニング キット

Fro-DO配位子

クロスカップリング反応を始めとする遷移金属触媒反応の研究においては、中心金属に結合する配位子の開発が大きな割合を占めてきました。これら配位子は、ホスフィン類、アミン類、N-ヘテロサイクリックカルベン類などσ供与性の配位子がほとんどですが、これは、電子豊富なこれらの配位子から中心金属に電子が供給されることにより酸化的付加が促進される、という考え方によるものです。このアプローチは大きな成功を収め、それまで不可能であった反応を数多く実現してきました。

一方、もうひとつの重要なステップである、中心金属原子からの還元的脱離の促進は、配位子をかさ高くする方法が主に採用されてきました。一方、電子不足の配位子を用いることによって、還元的脱離を起こしやすくするという方法論は、これまであまり注目されていませんでした。

こうした中、プリンストン大学のAbby Doyleらのグループは、1-アリールアジリジンと有機亜鉛化合物の、ニッケル触媒カップリング反応において、フマル酸ジメチルが効果的にこの反応を促進するユニークな配位子であることを発見しました1。フマル酸ジメチルは電子不足のπ電子性配位子としてはたらき、ニッケルからの還元的脱離を促進します。

そこで、これをさらに改良して作り出された配位子が、Fro-Do(804371)です。これは下図のように、フマル酸の中心骨格にスルタム部分が結合した配位子であり、中央のオレフィン部分で中心金属へ配位します。

Fro-Doのニッケル錯体は、1,1-二置換アジリジンと、有機亜鉛化合物とのカップリング反応の触媒としてはたらき、通常の条件では難しい四級炭素中心の構築が、この反応によって可能になります。電子不足な配位子によって還元的脱離が促進されているため、β-ヒドリド脱離反応よりも目的のカップリングが素早く進行し、副生成物が大幅に抑えられたと考えられます。

アルドリッチでは、プリンストン大学のAbby Doyleグループの協力の下、ニッケル触媒反応を革新する、この新たな配位子を提供いたします。

主な反応例2

Fro-DO特長

  • 電子的、構造的に、これまでの配位子とは全く異なる新しいクラスの配位子
  • 今までにない、新しい反応性を引き出す可能性を持つ
  • 通常の実験設備で取り扱いや計量が可能な安定な結晶

Abby Doyleらの、ニッケルをベースとした遷移金属触媒反応についてさらに詳しく知りたい方は、Professor Product Portal(英語サイト)ページをご覧下さい。この記事にご協力いただいた、Dennis Huang氏に感謝いたします。

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