有機合成化学

HandaPhos

KitAlysis™ ハイスループット スクリーニング キット

HandaPhos:水中、室温条件下、ppm レベルの使用量で効果的なクロスカップリング反応の配位子

HandaPhos構造式

Lipshutz らにより開発されたHandaPhos(799580808423)は、酢酸パラジウムと1:1の錯体を形成します。「TPGS-750-M」や「Nok」といった界面活性剤と併用することにより、1000 ppm(0.1 mol%)未満で室温、水中での高効率的なクロスカップリング反応を達成し、リサイクル使用も可能です。鈴木宮浦反応、薗頭反応、アミノ化反応などのクロスカップリング反応に利用できます。

HandaPhos概要

主な利点

A. 配位子としての性能

Scheme 1に示す反応について、BI-DIME、SPhos、Ipr、HandaPhosの各配位子とPd触媒を用いて収率を比較したところ、Nok 界面活性剤の存在下でHandaPhosを用いた場合に最も高い収率が得られています。

Scheme1

Scheme 1

化合物1の単離収率(%)

  BI-DIME
with Pd(OAc)2
SPhos
as palladacycle
IPr
with Pd2(dba)3
HandPhos
with Pd(OAc)2
in NOK surfactant 12 trace no reaction 83
in Toluene/H2O 28 15 no reaction 70
in Toluene/H2O + 5 mol% catalyst 50 69 52 80

B. 残留パラジウムの低減

SPhos を2~5 mol%を用いる従来法とHandaPhosを1000 ppm(0.1 mol%)を用いた条件で得られた、生成物中(化合物12)の残留パラジウムを下表に示します。

残留Pd量の比較

  temp. Residue Pd
in Compound 1
Residue Pd
in Compound 2
HandaPhos + Pd (1000 ppm) + 2 wt% Nok r.t 1 ppm 9 ppm
SPhosPd (20000 - 50000ppm / 2-5 mol%) in Diox 85℃ 171 ppm 217 ppm

C. リサイクル

化合物3の合成では、反応混合液に水を加えて析出した固体をろ別し、収率90%で化合物3が得られます。ろ液は5回まで再利用しても収率は変わらないことを確認しています。生成物を抽出、分離する工程に有機溶媒を使用しません。

HandaPhos は、有機溶媒と熱を必要としないクロスカップリング反応の配位子です。界面活性剤により水中でナノミセルを形成し、ppmレベルの極めて少量の触媒量で高活性を発揮します。現在、さらなる適用範囲の拡大が検討されています。

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製品情報

Aldrichでは、HandaPhosだけでなく、Lipshiutz のナノミセル化技術をすぐに体験できる便利な反応キットも取り扱っています。

     

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