老化の研究 - Hallmarks of Aging

ゲノム不安定性 - Genomic Instability

 

Hallmarks of Aging episode 1 Genomic Instability

細胞が老化するにつれて、染色体は不安定性になっていきます。修復機構がDNA損傷の修復に失敗するたび、突然変異が蓄積し、老化と疾患を導きます。ゲノム不安定性は老化の9つの特徴のうちのひとつです。

ゲノムとエピゲノムの変化を老化の促進が起こる疾患と結び付ける証拠は多く存在しますが、これらの変化を自然に起こる老化と関連付けることはなかなか困難です。例えば、内因性及び環境要因の劣化の結果起こる様々なDNA損傷の一部は、老化ではなくトランスポゾンの移動や大規模な染色体再構成のような特定の現象が主に寄与していることが明らかだからです。

ゲノム不安定性の発生全てはDNA修復の産物です。実に、今日の老化研究はp53、 ATM、 ヒストンH2A.X、 XRCC4、DNA ligase 4を含む主要なDNA修復経路の老化に関連した活性変化に注目しています。どのような環境要因がDNA修復を妨げるのでしょうか?一般的な生理的ストレス(例えば常習的なアルコール摂取などによる状態の悪化)と概日リズムの攪乱が原因だという証拠があります。その通りなのです、徹夜はしないでください。そうすれば、あなたのゲノムは昼間に受けたダメージから回復できるでしょう。

もちろん、DNA修復能力の低下は単なる症状(結果)であり、老化の原因ではない可能性もあります。この可能性について研究するために、ゲノム不安定性の研究者たちはノンコーディングRNA、ホルモンやクロマチン制御因子といった、修復遺伝子の転写を調節する因子の発現の変化を調べる必要があります。

知っていましたか?
【その1】 ヒトゲノムには30億塩基対のDNAが含まれています。分子レベルでのDNAダメージは1日1細胞あたり10,000~1,000,000カ所の割合で起こります。未修復な損傷が歳とともに少しずつ蓄積し、ガンのような疾患の発生率の増加を助長します。
【その2】 タンパク質をコードしている遺伝子はあなたのDNAのうちたった3%です。他の97%はノンコーディングDNAであり、あなたの遺伝子の活性を制御しています。DNAの完全性の維持には、細胞内のDNA損傷部位でダメージの存在のシグナルとして働き、且つ正確なDNA修復を実現する因子の生成に必要な短鎖ノンコーディング RNAに依存していることが最近明らかになってきました。

特徴と疾患

ウェルナー症候群(WS)または成人早老症は新生児100,000人に1人以下の割合で発症します。WSはDNAの維持と修復を実行するWRN遺伝子の変異によって起こります。ウェルナー症候群の患者は早老で、正常な老化と同様な外見と身体機能を呈します。

ゲノム不安定性検出技術
TUNEL法
DNA断片化は通常、アポトーシス過程における細胞形態の大規模な構造変化に関係しています。ApopTagファミリーのキットはTUNEL法によってDNA断片化としてアポトーシスを検出します。DNA鎖の切断部位は、酵素処理によるフリーの3’-OH末端への修飾ヌクレオチドのラベルによって検出されます。DNA断片化で生成された新しいDNA末端は一般的に形態学的に確認できる核とアポトーシス小体中に局在します。対照的に、正常つまり検出限界以下の限られた数の3’-OH末端しか持たない増殖性の核は、通常このキットでは染色されません。ApopTagキットはアポトーシスに関連する一本鎖と二本鎖のDNA切断を検出します。薬剤で誘導したDNA損傷はアポトーシス反応を共役しない限り、TUNEL 法では確認できません。さらにこの技術はクロマチン凝縮が始まり、DNA鎖の切断が少なく、まだ核の大規模な形態変化が起こる前の初期のアポトーシスを検出することが可能です。
ISEL(in situ end labeling;Klenow DNA Polymeraseを用いてラベルする手法)法と比べると、TUNEL(Terminal Deoxynucleotidyl Transferase(TdT)mediated dUTP nick end labeling;TdTを用いてラベルする手法)法やISNT(in situ nick translation;DNA Polymarase Iを用いてラベルする手法)法はヌクレオソーム内のDNA切断を検出する際に便利ですが、これらはDnase Type IとDnase Type IIの切断を区別しません。ISOL(in situ oligo ligation;T4 DNA Ligaseを用いてラベルする手法)法はネクローシスのないサンプル中ではTUNEL法と同一の結果を示し、ネクローシスが発生しているサンプル中ではTUNEL法と比べて改善された選択性を示します。

技術情報誌Techfocus vol.2 P19

ゲノム不安定性 関連製品一覧をご確認ください。

製品名 カタログ番号
ApopTag® ISOL Dual Fluorescence Apoptosis Detection Kit (DNase Types I and II) APT1000
ApopTag® Peroxidase In Situ Apoptosis Detection Kit S7100
ApopTag® Plus Peroxidase In Situ Apoptosis Kit S7101
ApopTag® Fluorescein In Situ Apoptosis Detection Kit S7110
ApopTag® Plus In Situ Apoptosis Fluorescein Detection Kit S7111
ApopTag® Fluorescein Direct In Situ Apoptosis Detection Kit S7160
ApopTag® Red In Situ Apoptosis Detection Kit S7165
ApopTag® Peroxidase In Situ Oligo Ligation (ISOL) Kit S7200
Caspase 3 Colorimetric Activity Assay Kit, DEVD APT165
Caspase 9 Colorimetric Activity Assay Kit, LEHD APT173
CaspaTag Caspase 3,7 In Situ Assay Kit, Fluorescein APT403
FragEL™ DNA Fragmentation Detection Kit, Colorimetric - Klenow Enzyme QIA21
FragEL™ DNA Fragmentation Detection Kit, Colorimetric - TdT Enzyme QIA33
FragEL™ DNA Fragmentation Detection Kit, Fluorescent - TdT Enzyme QIA39
H2A.X Phosphorylation Assay Kit (Flow Cytometry) 17-344
H2A.X Phosphorylation Assay Kit (Chemiluminescence Detection) 17-327
FlowCellect™ DNA Damage Histone H2A.X Dual Detection Kit FCCS025153
Anti-Histone H2A.X 07-627
Anti-Ubiquityl Histone H2A.X (Lys119) AB10029
DNA Ladder Detection Kit APT151
ssDNA Apoptosis ELISA Kit APT225
CaspaTag Caspase 3,7 In Situ Assay Kit, Fluorescein APT403
CaspaTag Caspase 8 In Situ Assay Kit, Fluorescein APT408
CaspaTag Caspase 9 In Situ Assay Kit, Fluorescein APT409
CaspaTag Pan-Caspase In Situ Assay Kit, Fluorescein APT420
CaspaTag Caspase 8 In Situ Assay Kit 25, Fluorescein APT428
CaspaTag Caspase 9 In Situ Assay Kit, Fluorescein APT429
Muse™ Caspase-3/7 Kit MCH100108
Muse™ MultiCaspase Kit MCH100109
Muse Multi-Color DNA Damage Kit MCH200107
Muse H2A.X Activation Dual Detection Kit MCH200101

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