老化の研究 - Hallmarks of Aging

タンパク質恒常性の喪失 - Loss of Proteostasis

 

Hallmarks of Aging episode 4 Loss of Proteostasis

細胞が老化すると、環境からのストレスが蓄積し、細胞内の適切なタンパク質構量比や分布を維持する機構が減弱し始めます。タンパク質は安定性を失い、オートファジーのプロセスが機能しなくなり始め、ミスフォールドタンパク質が蓄積します。

長年にわたり、我々の身体はミスフォールドタンパク質の原因となる細胞への熱ストレス、酸化ストレス、浸透圧ストレスなど、多くの外的環境からの刺激を受けています。例えば、汚染大気に存在するフリーラジカルは(この点において)特に有害物質として同定され、多様な老化に関連する病状に影響します。若い細胞においては、ユビキチン-プロテアソーム経路と共に、ミクロ及びマクロオートファジー経路がミスフォールドタンパク質を除去します。しかし、老化した細胞では、オートファジー誘導が徐々に失われ、リソソームが細胞排泄物を運ぶ小胞を除去する効率も悪くなります。

“炎症性老化(Inflammaging)”と呼ばれる悪循環において、効率的なオートファジーの減少が細胞内活性酸素を増加させ、低レベルの慢性炎症を誘発するダメージ応答インフラマソームを作り出し、更に老化を促進します。

知っていましたか?
【その1】 オートファジーには3つの形式があります。
マクロオートファジー:細胞質に出現した隔離膜(嚢状の膜構造)が異常タンパク質を取り込むことでオートファゴソームを形成し、リソソームとの融合で内膜と内包されている細胞質成分を分解する(オートリソソーム)機構。
ミクロオートファジー:異常タンパク質がリソソームに直接取り込まれ、細胞質内にタンパク質分解物を取り込む機構。
シャペロン介在性オートファジー:シャペロンタンパク質によって異常タンパク質がリソソームに直接取り込まれ、細胞質内にタンパク質分解物を取り込む機構。
オートファジーの機能停止は、細胞損傷と老化の蓄積の主な理由の一つと考えられています。
【その2】 タンパク質恒常性の一部は、低分子量熱ショックタンパク質(small heat-shock proteins : sHsps)の作用により維持されます。これら細胞内分子シャペロンタンパク質は、細胞が高温または酸化ストレスを受けた際に起こりうるタンパク質の凝集の防止において重要な役割を果たします。

特徴と疾患

歳を取るにつれ、タンパク質の合成、折りたたみ、分解がうまくできなくなります。結果として、タンパク質の凝集を引き起こす、ミスフォールドタンパク質の産生と蓄積が増加し、最終的に疾患が起こります。
アミロイドタンパク質に関連する神経疾患は非常に一般的で、アルツハイマー病、パーキンソン病、およびハンチントン病を含みます。別のタンパク質であるプリオンタンパク質は、伝染性海綿状脳症(TSEs)の原因です。これらは、ヒツジにおけるスクレイピー、ウシ海綿状脳症(狂牛病、ヒトにクロイツフェルト・ヤコブヒト病を引き起こす可能性がある感染形)、および唯一のヒト伝染性ヒトプリオン病として知られているクールーのような感染症が含まれます。

オートファジー検出
レンチウイルスバイオセンサー
バイオセンサーは生細胞内でのタンパク質局在の検出だけでなく、特定のタンパク質の検出にも使われます。蛍光タグは、蛍光顕微鏡もしくはタイムラプス動画撮影のどちらにおいても、細胞内の目的タンパク質を可視化する効果的な方法です。非破壊状態で可視化した生細胞がリアルタイムで変化していく細胞内状態を明らかにします。
レンチウイルスベクター系は細胞へ遺伝子および遺伝子産物を導入する一般的なツールです。(化学ベースのトランスフェクションなどの)非ウイルス法に勝る利点としては、分裂中の細胞ならびに分裂していない細胞へのより高いトランスフェクション効率、導入遺伝子の安定な発現、低い免疫原性が挙げられます。

以下の関連製品をご確認ください。

製品名 カタログ番号
オートファジー
LC3-II Enrichment Kit (Western Blot) 17-10232
LentiBrite™ GFP-LC3-II Enrichment Kit (Flow Cytometry) 17-10230
FlowCellect™ GFP-LC3 Reporter Autophagy Assay Kit (CHO) FCCH100170
FlowCellect™ Autophagy LC3 antibody FCCH100171
FlowCellect™ Autophagy LC3-GFP Reporter Assay Kit (U2OS) FCCH100181
LentiBrite™ GFP-LC3 Lentiviral Biosensor 17-10193
LentiBrite™ RFP-LC3 Lentiviral Biosensor 17-10143
LentiBrite™ GFP-LC3 Control Mutant Lentiviral Biosensor 17-10189
LentiBrite™ RFP-LC3 Control Mutant Lentiviral Biosensor 17-10188
LentiBrite™ GFP-p62 Lentiviral Biosensor 17-10224
LentiBrite™ RFP-p62 Lentiviral Biosensor 17-10404
Muse Autophagy LC3-antibody based Kit MCH200109
ユビキチン-プロテアソーム関連キット
Protease Assay Kit 539125-1KIT
Proteasome Isolation Kit, Human 539176-1KIT
20S Proteasome Activity Assay; 1 kit APT280
Ubiquitinated Protein Enrichment Kit 662200-1KIT
関連抗体
Anti-ATG3 Antibody AB2953
Anti-ATG5 Antibody ABC14
Anti-APG5 Antibody AB15404
Anti-ATG5 Antibody, clone 177.19 MAB2605
Anti-ATG7 Antibody AB10511
Anti-UVRAG Antibody AB2960
関連低分子化合物
AG 9 658390-5MG
Akt Inhibitor IV 124011-1MG
Akt Inhibitor IV 124011-5MG
Akt Inhibitor VIII, Isozyme-Selective, Akti-1/2 124018-1MG
Akt Inhibitor VIII, Isozyme-Selective, Akti-1/2 124018-5MG
Bisindolylmaleimide I 203290-1MG
203290-250UG
PI-103 528100-1MG
PI-103 528100-5MG
PI 3-Kγ Inhibitor 528106-5MG
PKCβ Inhibitor 539654-500UG
Rapamycin 553210-100UG
Rapamycin 553210-1MG
Rapamycin 553210-5MG
Rapamycin 553210-10MG
Rho Kinase Inhibitor III, Rockout 555553-10MG
SU11652 572660-500UG
Autophagy Inducer, STF-62247 189497-10MG
Beclin-1 Activator II, retro-inverso TAT-Beclin-1 5.06416.0001
Autophagy Inhibitor, 3-MA 189490-50MG
Autophagy Inhibitor, 3-MA 189490-100MG
Autophagy Inhibitor IV, Cpd18 5.05980.0001
MDMX Antagonist, SJ-172550  444155-10MG
Spautin-1 567569-10MG
Autophagy Regulators Panel  189488-1EA

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