|
FAQ(よくいただく質問とその答え)
ラベルの見方
混合塩基の国際表記と修飾サービスの記号
オリゴDNAの定量
Tm値の計算
保存と溶解方法
用途別 精製方法の選択目安
PAGE QC 判定手順
PAGE QCとトリチルデーター
チオールオリゴの取り扱い
S化(ホスホロチオエート化)オリゴDNAについて
EC Amino Linkerについて
アニーリング (二本鎖オリゴ、dsDNAの作成)
ラベルの見方
オリゴチューブにはチューブラベル(透明)とバーコードラベル(白色)の2枚が貼られております。すべてのオリゴDNAは合成・精製が終了後、希釈・吸光度測定が行われ、その測定値は自動的に製造用データーベースに取り込まれます。塩基組成や配列に基づきモル収量、μg などを計算し、これらの情報をラベルに記載しております。
チューブラベル(透明のラベル)

- Lotナンバー
各オリゴDNAには独自のLotナンバーが付きます。使用した装置や試薬のロット管理に使用します。
- フォルダー番号(弊社ラボ内で使用)
- O.D
納品されたオリゴDNAのO.D(optical density)unitです。 O.D unitとは1ml溶液(pH7.0)における1cm光路長あたりのUV260nmの吸光度を意味します。少数点2位以下は四捨五入されています。
- μg
納品されたオリゴDNAのμg収量です。OD×μg/OD値です。
- モル収量
納品されたオリゴDNAのモル収量値です。各塩基の吸光係数、サンプルの分子量から算出しております。
- 配列名
ご注文頂いたオリゴDNAの配列名です。
- 配列
ご注文頂いたオリゴDNAのシークエンス(配列情報)です。小文字表記の部分は、3'側の塩基間がS(phosphorothioate)結合である事を示します。
- Tm
Na濃度50mMでのTm値です。
- μg/OD
ご注文のオリゴDNA配列の、1OD当りのμg値です。各塩基の吸光係数から算出しております。
- MW
ご注文のオリゴDNA配列の分子量です。
バーコードラベル(白いラベル)
<例1>

<例2>

- オリゴナンバー(OEナンバー)
各オリゴDNAには、受注時に1本1本に独自の番号が振られております。お問い合わせの際は、この番号をご連絡下さい。
- Lotナンバー
各オリゴDNAには独自のロットナンバーが振られております。使用した装置や試薬のロット管理に使用しております。
- 精製方法
D:脱塩グレード R:カートリッジ精製 H:HPLC精製 P:PAGE精製
- 合成スケール(単位µmol、マイクロモル)
合成カラムの大きさを示しています。
- 修飾、その他 の特記事項
- オリゴDNAの塩基長 (mer数)
- バーコード(製造管理用)
- 製造管理用番号(弊社ラボ内で使用)
- 製造管理用番号(弊社ラボ内で使用)
- 濃度
溶液出荷の場合のみ、記載されています。
キャップラベル(製品に同封しております)

- 配列名
ご注文頂いたオリゴDNAの配列名です。
- 製造管理用番号(弊社ラボ内で使用)
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混合塩基の国際表記と修飾サービスの記号
混合塩基の国際表記(上段:記号/下段:塩基の種類)
| B |
D |
H |
I |
K |
M |
N |
R |
| C,G,T |
A,G,T |
A,C,T |
dI(Inosine) |
G,T |
A,C |
A,C,G,T |
A,G |
| S |
U |
V |
W |
Y |
|
|
|
| C,G |
dU(Uracil) |
A,C,G |
A,T |
C,T |
|
|
|
修飾サービスの記号(上段:記号/中段:修飾/下段:溶解後の色)
| 2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
| Amino Linker |
Phosphorylation |
Thiol |
DIG ジゴキシゲニン |
FAM |
Biotin |
| 無色 |
無色 |
無色 |
無色 |
黄緑系 |
無色 |
| 8 |
9 |
E |
[Rhodamine- Green] |
F |
J |
| HEX |
TET |
Rhodamine |
Rhodamine- Green |
FITC |
Texas Red |
| ピンク系 |
オレンジ系 |
赤 |
オレンジ系 |
黄緑系 |
赤 |
| O |
P |
Q |
? |
! |
[5-I-dU] |
| 5-Me-dC |
5-Br-dC |
5-Br-dU |
Cy5 |
Cy5.5 |
5-I-dU |
| 無色 |
無色 |
無色 |
青 |
青 |
無色 |
| [N6-Me-dA] |
[DNP] |
[TAMRA] |
[ROX] |
[Cy3] |
[BHQ-1] |
| N6-Me-dA |
DNP |
TAMRA |
ROX |
Cy3 |
BHQ-1 |
| 無色 |
淡黄色 |
赤 |
赤 |
ピンク系 |
紫 |
| [BHQ-2] |
[FLC] |
[D2] |
[D3] |
[D4] |
|
| BHQ-2 |
FLC |
Beckman Dye D2 |
Beckman Dye D3 |
Beckman Dye D4 |
|
| 青 |
黄緑系 |
緑 |
濃緑 |
青 |
|
ENA塩基の表記、ENA塩基を使った混合塩基、S化の表記 塩基間の結合様式につきましては、合成システム上、1オリゴ鎖中にはジエステル結合かチオエート結合(S化)のいずれかが合成可能です(部分チオエート結合はお受けできません)。
| <ジエステル結合 > |
<チオエート結合> |
| 記 号 |
塩 基 |
記 号 |
塩 基 |
記 号 |
塩 基 |
記 号 |
塩 基 |
| [ E N A ] |
A |
[ E N M ] |
A/C/T |
[ E S A ] |
A |
[ E S M ] |
A/C |
| [ E N C ] |
C |
[ E N N ] |
A/C/G/T |
[ E S C ] |
C |
[ E S N ] |
A/C/G/T |
| [ E N G ] |
G |
[ E N R ] |
A/G |
[ E S G ] |
G |
[ E S R ] |
A/G |
| [ E N T ] |
T |
[ E N S ] |
C/G |
[ E S T ] |
T |
[ E S S ] |
C/G |
| [ E N B ] |
C/G/T |
[ E N V ] |
A/C/G |
[ E S B ] |
C/G/T |
[ E S V ] |
A/C/G |
| [ E N D ] |
A/G/T |
[ E N W ] |
A/T |
[ E S D ] |
A/G/T |
[ E S W ] |
A/T |
| [ E N H ] |
A/C/T |
[ E N Y ] |
C/T |
[ E S H ] |
A/C/T |
[ E S Y ] |
C/T |
| [ E N K ] |
G/T |
|
|
[ E S K ] |
G/T |
|
|
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オリゴDNAの定量
合成・精製が終了したオリゴDNAはその一部を希釈しODを測定します。作業者によるエラーを無くし、且つ均一な誤差範囲に収まるよう、すべてのオリゴDNAはロボットにて希釈・測定が行われています。測定値は自動的に製造用データーベースに取り込まれ、塩基組成や配列に基づきモル収量、μg などが計算されます。 OD260=1.0の場合、一般に一本鎖DNAは30~37μg、二本鎖DNAは50μg、RNAは40μgに相当すると言われます。しかしオリゴヌクレオチドの場合は、下表のように塩基によりそれぞれの吸光係数は大きく異なるため、塩基組成による誤差が無視できません。 また、下表の吸光係数はpH=7.0のものであり、この値はpHやイオン強度の変化により激しく変動します。 ※OD260とは光路長が1cmのときの、UV260nmの吸光度の意味です。
| A |
C |
G |
T |
| 15,400 |
7,400 |
11,500 |
8,700 |
| Nucleotide Extinction Coefficients at 260 nm |
| |
3' base |
| A |
C |
G |
T |
| 5' base |
A |
13,700 |
10,600 |
12,500 |
11,400 |
| C |
10,600 |
7,300 |
9,000 |
7,600 |
| G |
12,600 |
8,800 |
10,800 |
10,000 |
| T |
11,700 |
8,100 |
9,500 |
8,400 |
| Pairwise extinction coefficients |
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Tm値の計算
オリゴヌクレオチドの融解温度Tm(melting temperature)は、PCRにおけるアニーリング温度の設定や、サザン、ノーザンブロット等のハイブリダイゼーションにおいて、有用な数値のひとつです。
<Tm値計算ツール> DNA Calculator

Nearest Neighbor methodによる計算になります。 計算結果が80℃以上および20℃以下になる場合の再計算機能はついておりません。
Tm(melting temperature)値とは

Tm値とはオリゴヌクレオチドの50%が、その相補鎖と解離する時の温度で、一般的にはTaqによる伸長など酵素反応を開始するために、対象のオリゴがその相補鎖と2本鎖を形成する理論的な限界温度として理解されております。 Tm値に影響を与える要因としては、塩基組成、塩濃度、オリゴ鎖の濃度や変性剤(ホルムアミド、DMSO等)、溶媒和効果、コンジュゲート基(ビオチン、ジゴキシゲニン、アルカリフォスファターゼ、蛍光色素等)があり、一般的にTm値は、
- 高塩濃度では上がる
- 高オリゴ濃度で下がる
- GCリッチな配列では上がる
- 変性剤存在下で下がる
のように変化します。 つまり、バッファー組成などが異なる実験条件下ではTm値も変化しますので注意が必要です。
弊社のTm算出方法について

弊社ではすべてのオリゴのTmを、一般的に用いられるPCRに近い条件である、50mM Na+濃度(Na+=50×10-3)と0.5mMオリゴヌクレオチド濃度(Ct=0.5×10-6)の値で、最近接塩基対法(Nearest Neighbor method)を使って計算しております。

最近接塩基対法(Nearest Neighbor method)によるTm計算値が、20℃未満(<20℃)のものはWallace法で再計算しております。 また、最近接塩基対法で80℃以上(≧80℃)となるオリゴは、GC%法によりTmを再計算しております。
【I.最近接塩基対法(Nearest Neighbor method)】
| Tm = |
1000ΔH |
-273.15+16.6log[Na+] |
| -10.8+ΔS+Rln(Ct/4) |
- ΔH
ハイブリッドにおける最近接エンタルピー変化の合計[kcal/mol] (表-1参照)
- -10.8
ΔS(initiation)[cal/mol・K]
- ΔS
ハイブリッドにおける最近接エントロピー変化の合計[cal/mol・K] (表-1参照)
- R
気体定数(1.987cal/deg・mol)
- Ct
オリゴのtotalモル濃度[mol/l](弊社では0.5μMで計算しています)
- Na+
Na+のモル濃度[mol/l](弊社では50mMで計算しています)
(表-1) 最近接塩基対パラメータ
| Interaction |
ΔH |
ΔS |
| [kcal/mol] |
[cal/mol・K] |
| AA/TT |
-9.1 |
-24 |
| AT/TA |
-8.6 |
-23.9 |
| TA/AT |
-6 |
-16.9 |
| CA/GT |
-5.8 |
-12.9 |
| GT/CA |
-6.5 |
-17.3 |
| CT/GA |
-7.8 |
-20.8 |
| GA/CT |
-5.6 |
-13.5 |
| CG/GC |
-11.9 |
-27.8 |
| GC/CG |
-11.1 |
-26.7 |
| GG/CC |
-11 |
-26.6 |
※ 表の見方 Interactionは次のように表記しています 5'→3' 3'←5' A T / T A 例えば、AC(5'→3')のΔHは、GT/CAのΔH:-6.5[kcal/mol]となります。
【II .Wallace法】 Tm = 2( A + T ) + 4( G + C ) A,T,G,C ・・・ 各 ヌクレオチドの個数
【III.GC%法】 Tm = 81.5+16.6log[Na+] + 41( XG + XC ) - 500/L-0.62F Na+ ・・・ Na+のモル濃度[mol/l](弊社では50mMで計算しています) XG,XC ・・・ GおよびCのモル分率 L ・・・ 二本鎖を形成する部分のオリゴヌクレオチドの長さ F ・・・ ホルムアミドのモル濃度(弊社では0で計算しています)
各計算式とその値の比較

それぞれの計算方法に依存して、Na+濃度等を統一してもTm値は異なります(下記参照)。特に10mer以下の短鎖、50~60mer以上の長鎖、GC%が大きく偏る配列においてはこの差が顕著になります。一般的には最近接塩基法が最も信頼性が高いとされておりますが、あくまで参考値とお考え下さい。各研究者が実験条件や目的(反応効率 / 特異性のどちらを優先するか等)により、反応温度を調節する事が必要となります。
<M13 sequence ( 5'-CGACGTTGTAAAACGACGGCCAGT-3' ) の場合 > ※各式は、すべて[Na+]=50×10-3、オリゴ濃度Ct=0.5×10-6で計算しています。
【I.最近接塩基対法(Nearest Neighbor method)】 ΔH=-192.7[kcal/mol] ΔS=-481.4[cal/mol・K]
| Tm = |
1000x(-192.7) |
-273.15+16.6log(50x10-3) |
| -10.8-481.4+1.987ln[(0.5x10-6)/4 |
= 73.2℃
【II.Wallace法】 Tm = 2( 7 + 4 ) + 4( 7 + 6 ) = 74℃
【III.GC%法】 Tm = 81.5+16.6log(50x10-3) + 41(7/24+6/24) - 500/24 = 61.3℃
参考文献

A Rapid Method for Detecting and Mapping Homology between Heterologous DNAs Peter M.Howley THE JOURNAL OF BIOLOGICAL CHEMISTRY(1979)254.4876-4883
Dependence of the Melting Temperature of DNA on Salt Concentration Schildkraut C.,Lifson S. (1965) BIOPOLYMERS 3.195-208
High-Resolution in Situ Hybridization Histochemistry FRANK BALDINO,Jr.,MARIE-FRANCOISE CHESSELET,and MICHAEL E.LEWIS 1989 METHODS IN ENZYMOLOGY(168)761-777
Optimization of the annealing temperature for DNA amplification in vitro W.Rychlik Nucl.Acids Res.(1990) 18(21)6409-6412
Improved free-energy parameters for predictions of RNA duplex stability. SUSAN M.FREIER Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1986)83.9373-9377
最近接塩基対パラメータを用いた核酸の安定性予測とその機能との関係 杉本 直己 生物物理 vol33.p61-67 吉岡書店
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保存と溶解方法
シグマ アルドリッチ ジャパンのオリゴDNAは以下の状態で出荷しております。
Oligo @ SIGMA –PCR (0.02μmolスケール)のオリゴDNA TEバッファーにて濃度調整した状態、および透明なフィルム状または粉末状に乾燥した状態
その他のオリゴDNA 透明なフィルム状、または粉末状に乾燥した状態 ※ 乾燥出荷オリゴDNAは乾燥の過程で透明なフィルム状になり、目視しづらい場合がありますので、開封前は必ず、数秒間遠心を行ってください。
保存方法
- 弊社のTEバッファー濃度調整品、Oligo @ SIGMA-PCRは、室温(22±2℃)にて120日間放置した場合でも、電気泳動でその泳動パターンに変化が無いことを確認しております。
- オリゴDNAの長期保存については-20℃以下での保存をお勧め致します。
- 不要な凍結融解の繰り返しを避ける為、あらかじめ分注しておくことをお勧めします。その際には製品に同封している予備ラベルをご利用ください。
- 溶解品を1年以上長期間保存する場合は、一度脱塩乾燥させた後、-20℃以下での保存をお勧め致します。
- 蛍光修飾品につきましては、光によって色素が劣化するため、保存の際は必ずアルミホイル等で遮光して下さい。
溶解方法 溶媒は以下を参考にご選択ください。
- オートクレーブ処理したTEバッファー(10mM Tris, pH 7.4-8.0, 1 mM EDTA)
- 蛍光色素のなかにはEDTAに対して不安定なもの(確認されているものでCy系の色素)があるため、オートクレーブ処理した10mM Tris, pH 7.4-8.0 に溶解
- 実験によってEDTAが気になる場合は、滅菌水、またはTeバッファー(10mM Tris, pH 7.4-8.0, 0.1 mM EDTA)
- RT-PCRなどRNAを用いる実験の場合は、RNase-Freeの水または適切なバッファーに溶解。
ラベルのモル収量をご参考に、実験に使いやすい濃度(一般には100pmol/μL-10pmol/μL)にてご使用下さい。例えばラベルに12.3 nmolと記載されている場合 123μlに溶解すると 100pmol/μLになります。
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用途別 精製方法の選択目安
シグマ アルドリッチ ジャパンでは、脱塩、RP1(逆相カートリッジ)、HPLC、PAGEの4種類の精製方法をご用意致しております。また、受注後、塩基配列などの問題により、ご注文以外の精製法への変更をお勧めする場合があります。ご了承ください。以下は、各実験用途にて推奨する精製グレード選択表です。ご参考下さい。
| |
脱塩 |
カートリッジ 精製 |
HPLC精製 |
PAGE精製 |
PCR増幅チェックのスクリーニング ダイレクトシークエンシング用のPCR産物作成 |
○ |
○ |
○ |
○ |
制限酵素部位をもつプライマー サブクローニング目的のPCR Differential Display法 PCR-SSCP法 PCRによるマイクロサテライト多型解析 |
× |
○ |
○ |
○ |
| Degenerate PCR |
△ |
○ |
△ |
× |
| RT-PCR* |
△ |
○ |
○ |
○ |
| シークエンシング |
△ |
○ |
○ |
○ |
| in-situハイブリダイゼーション |
× |
○ |
○ |
○ |
| 変異導入 |
× |
× |
○ |
○ |
| アンチセンス(S化・ENA) |
× |
○ |
○ |
× |
| 合成遺伝子の作成 |
× |
× |
△ |
○ |
| 5' or 3' -RACE法(リン酸化) |
× |
× |
○ |
○ |
| ヘアピン構造の強いオリゴ |
× |
○ |
△ |
× |
| QPCR probes(定量PCRのプローブ) |
× |
× |
○ |
× |
| Microarrays(マイクロアレイプローブ)** |
○ |
○ |
○ |
○ |
| Crystallography, NMR(結晶化、NMR用オリゴ) |
× |
× |
○ |
○ |
| In-vivo applications(in -vivoでの利用) |
× |
× |
○ |
× |
○:お勧めします。 △:塩基配列に依存します。 ×:安定した実験結果を得る為には、お勧めしません。 * RT-PCR等のRNAを用いる実験にご利用になる際には乾燥品のSelectをお勧め致します。 ** アミノ基修飾の場合、脱塩はお勧めしません。
脱塩 クルードオリゴDNAには合成過程で発生する遊離の保護基や合成エラーで生じた短鎖(N-X mer)オリゴDNAが混入しています。遊離の保護基の多くは、酵素活性などを阻害しないと言われていますが、これらはUV260nmに吸収を持つためオリゴの定量値が不正確なものになります。また、塩基組成により混入する保護基の種類やその比率が大きく異なるために、OD値に及ぼす影響を推定する事が困難です。これらの理由から、弊社ではクルードオリゴDNAの出荷は致しません。遊離した保護基を除いた状態でお届けいたします。一部の修飾用試薬は一般に通常の塩基と比べ合成効率が低く、修飾されていないオリゴDNAが混入しやすいものがあるため、脱塩グレードの取扱いのないものがあります。
カートリッジ精製 シグマ アルドリッチ ジャパンでは、独自の精製カートリッジ(逆相カートリッジカラム)を用いる事により、高純度で高収量のカートリッジ精製を行っております。カートリッジ精製の原理上、長鎖オリゴDNAを精製する場合、完全長のものとN-XオリゴDNAの分離能が落ちるため50mer 以上の長鎖にはお勧めしておりません。(ロングオリゴDNAはPAGE精製をお勧めします。)
HPLC精製 UV検出器を接続し、溶出状況をモニターしながら精製を行うHPLC精製は、カートリッジ精製よりも確実に高純度オリゴDNAが得られます。また、10μmol合成スケール以上の多量オリゴDNAも対応が可能です。但し、強い立体構造をつくりやすいオリゴDNAの場合(多くのロングオリゴDNAは少なからず立体構造を作ります)溶出パターンが変化するために不向きな場合があります。
【ご注意ください】 Wobble (混合塩基)配列の種類、程度によっては強い立体構造を形成する場合があり、HPLC精製時に目的配列を失う危険性があるためにお勧めしておりません。FAQをご参照下さい。
PAGE精製 変性ポリアクリルアミドゲルを使用し、非常に高純度のオリゴDNAを得ることができます。ただし、泳動ゲルからの抽出作業の手順が複雑であることや不完全長の産物の大部分が除去されるために、PAGE精製での収量は他の精製方法より少なくなります。したがってこの精製方法は、高純度品を必要とする場合、特に長いオリゴDNA(50塩基 以上)に適しています
【ご注意ください】 PAGE上での移動度が一定にならない Wobble (混合塩基)は、目的配列を失う危険性があるためにPAGE精製はお勧めしておりません。また、ヘアピン構造を形成する配列においても目的のバンドと欠損オリゴとが近接して泳動される場合があるため、精製グレードの変更をお願いする場合があります。 100mer以上のLong OligoはPAGE精製のみの受注となります。但し、配列によってはお引き受けできない場合もございます。
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PAGE QC 判定手順
シグマ アルドリッチ ジャパンのオリゴDNAは、PAGEによるQCを取り入れ、品質管理に努めております。 脱塩オリゴDNAは脱保護後、その他の精製品は精製前後の2回において、作業責任者の目視による純度と移動度の確認、更にコンピューターによる同様の再確認を行っております。 塩基に片寄りがある配列では、実際の塩基数とずれた位置に泳動されることがあるため、予めデーターベースにて予測した移動度を元に確認します。ここで予測範囲を超える場合は、速やかに再合成を行います。これらの結果をパスしたオリゴDNAのイメージだけが、データーベースに取りこまれ、QCシートにイメージを印刷、出荷準備完了となる仕組みになっています。 ※Oligo @ SIGMA-PCRについてはTOF-MASSを用いた抜き取りQCとなります。
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PAGE QC とトリチルデーター
オリゴDNAの品質保証書として通常、PAGEチェック時のゲルイメージを印刷したQCシートを添付しておりますが、PAGEでは判定が困難な配列においては、トリチルデーターにて品質確認を行っております。それらは、以下のタイプの配列になります。
- 混合塩基を含む配列 ⇒ 立体構造を形成し、シングルバンドにならないため
- 強い立体構造を形成する配列 ⇒ シングルバンドにならない、移動度が理論値から大きくずれる
- 120mer以上の配列 ⇒ 規格外品のため、コンピューターによる解析が不可=QCシートが印刷不可
これらの理由でコンピューターチェック及び、イメージ印刷が出来ないオリゴについては、合成効率モニター値(トリチルモニター)をグラフ化することにより検査を行っております。このモニターはDNA合成のサイクル毎のデブロックで生じる遊離トリチルの量をモニターするもので、何らかの原因により合成反応が降下した場合、合成装置は合成エラーと見なし動作を中止します。 ご入用の方は、恐れ入りますが別途お問い合わせ(genosysjp@sial.com)下さい。 ※Oligo @ SIGMA-PCRには、ゲルイメージは印刷されません。
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チオールオリゴの取扱い
チオールオリゴ(SH修飾オリゴ)DNAは、輸送中・保存中の酸化反応を防ぐために、保護基をつけたまま出荷しております。脱保護、還元方法については、オリゴ出荷時に還元反応説明書とNAP(脱塩)カラムを同封致しますので、ご使用直前にお客様ご自身にて還元、脱塩を行っていただくようお願い致します。また、発送は室温にて行いますが、到着後すぐにご使用にならない場合は乾燥状態のまま-20℃以下にて保存してください。
脱保護基・還元手順
- 終濃度 0.072MのDTT*で、室温にて1時間インキュベート。
- その後余剰のDTTなどを取り除く為、ゲルろ過カラム(Napカラム**)で精製してください。その際にご使用になるBufferや水はS-Sダイマー形成を緩和する為、超音波洗浄器などを用いて脱気しておきます。
- 収量チェック (吸光度測定)。
【注意点】
- この方法での回収率は 通常70-80%以上ですが、オリゴDNAの長さなどで回収率は変動します。実験に必要な量の1.5倍以上を還元処理することをお勧めします。
- 残った溶液状のオリゴDNAは速かに-20℃以下で保存してください。
* DTT = Dithiothreitol ** NAPカラムはGEヘルスケア・ジャパン株式会社の製品です
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S化(ホスホロチオエート化)オリゴDNAについて
製造過程で混入するTEA(トリエチルアミン)や遊離保護基は生体内には存在しない物質であり、細胞や実験条件によってこれらの物質が何らかの悪影響を起こす可能性があります。弊社のS化オリゴDNAは、これらの物質を除いてありますので、お受け取り後のエタノール沈殿、ゲルろ過、ODの計り直しは一切不要、そのままご使用いただけます。
- 様々なオプションをご用意しております
蛍光色素、ビオチン、DIG、チオール、アミノ化などさまざまな修飾オプションや部分的なS化も可能です。透析処理などご希望の場合にも、別途お申し付けください。
- 多量合成にも対応
10μmolスケール・HPLC精製で 200 OD 保証。さらに多量に必要な場合は、お問い合わせください。
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EC Amino Linkerについて
従来製品の欠点をカバーした高反応のアミノリンカー これまで一般的に用いられてきたアミノリンカー(MMT-Amino Linker;弊社従来製品)では、アンモニア溶液による脱保護時に起こる副反応が原因で、アミノ基の反応活性が低下するという現象が起きていました。『EC Amino Linker』はこの副反応を回避できる構造を持ち、高い反応性を維持した新しい修飾です。

【従来品】

参考文献
- Yasuo Komatsu, et al., Novel amino linkers enabling efficient labeling and convenient purification of amino-modified oligonucleotides. Bioorganic & Medicinal Chemistry, 16 (2008) pp.941-949
- Kojima, N., Takebayashi, T., Mikami, A., Ohtsuka, E. and Komatsu, Y.(2009) Bioorg Med Chem Lett, 19, 2144-2147.
用途 以下のような目的でお使いいただけます。
- 色素(アミノ基反応性)等のconjugation
- peptideやタンパク質等、生体分子のconjugation
- NH2反応性基板への固定(バイオセンサー等)
- DNAアレイプローブ
Conjugation efficiency Succinimidyl ester等のアミノ基反応性試薬を用いた試験では、修飾効率が2倍に上昇しています。
 
標識反応時間 ; 40℃ 30分
バッファーの種類によって反応効率が影響を受ける場合がありますが、以下のバッファーが適しています。
- FITC:炭酸バッファー、リン酸バッファー
- Succinimidyl ester :リン酸バッファー、ホウ酸バッファーなど。(炭酸バッファーは活性を低下させる場合があります)
DNAアレイへの使用例 DNAアレイ基板への固定化率が大幅に改善されています。

ハイブリダイゼーション結果
![スポット:X社製[ガラス+スポット溶液]](/etc/medialib/countries/japan/lifescience/images/ec-07.Par.0001.Image.278.gif)
スポット:X社製[ガラス+スポット溶液] |
![スポット:B社製[ガラス+スポット溶液]](/etc/medialib/countries/japan/lifescience/images/ec-08.Par.0001.Image.270.gif)
スポット:B社製[ガラス+スポット溶液] |
※ プローブの固定化量は、使用する基板や固定化方法(ピン・インクジェット)等によって若干変動します。
アレイグレードオリゴの逆相HPLC分析結果

価格
| スケール |
価格/Oligo |
| 0.05μmol |
¥5,800 |
| 0.2μmol |
¥7,400 |
| 1.0μmol |
¥10,500 |
| 10μmol |
¥29,400 |
注文方法 他のオリゴDNA同様、shop@SIGMAからご注文いただけます。
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アニーリング (二本鎖オリゴ、dsDNAの作成)
シグマアルドリッチジャパンでは、オリゴDNAの合成からアニーリングまでdsDNAの作製を一貫してお引き受けしております。是非お問い合わせください。 ここでは、標準的な手順をご紹介します。
- オリゴの調整:センスとアンチセンスオリゴを各々20~100uM濃度で アニーリング バッファー(Annealing Buffer) に溶解します。このとき各々が等モル濃度になるように溶解すると便利です。アニール操作の前に、各々過熱急冷し、完全に変成させておくことが重要です。また、極端にTmが高いLongオリゴやGCリッチなオリゴはAnnealing バッファーの塩濃度を半分程度に下げる、あるいは、終濃度10%程度のホルムアミドを含むTEバッファー中にて、加熱急冷処理後 等量のアニーリング バッファーでの希釈などが必要な場合があります。Tm計算ソフトウエアを用いて、予めTmにおよぼすホルムアミド濃度・塩濃度の影響を調べておくことが理想的です。
- アニール操作:PCR用のサーマルサイクラーを用いると便利です。センスとアンチセンスを正確に等モルになるよう混合します。一般的に各鎖は低濃度(10-50uM以下)のほうがきれいな結果が得られます。
- 90-98℃で10-15分インキュベートの後、45-60分かけて30℃まで温度を低下させます。アニール操作の際には、必ずセンスのみ、アンチセンスのみの溶液でのコントロールも同様の操作を行ってください。
- ポリアクリルアミド電気泳動などで、正確に二本鎖が形成されたことを確認後、4℃または-20℃保存してください。形成後のエタノール沈殿はあまりお勧めできません。これは、エタノール沈殿の際に加える高濃度の塩が、アニールエラーを起こしたオリゴのヘアピン構造やダイマーなどの副次産物の割合を上げるためです。
- 多くの場合、このまま精製せずに次のステップへ移ることが可能ですが、電気泳動後のGEL抽出やHPLC精製したほうが、より精度の高い実験が可能です。
【注意】
- わずかに含まれる合成エラーシーケンスやミスアニールDNAが、欠損や重複などを起こす場合があります。また、アニール操作中に生じる、二本鎖間の”浮き上がり”や”ズレ”が、クローニングの際のホストセル保有の酵素により、深刻なトラブルを引き起こす場合があります。発現などにご利用の際は、必ずシーケンスの確認を行なってください。
- 制限酵素サイトを持つようにデザインする場合、効率の良い切断のために、その5'側は余分な塩基の付加が必要です。付加する塩基数は酵素により異なります。たとえばEco RIやBam HI、Kpn I等は通常3塩基程度で十分ですが、Hind III、Sma Iなどは4-5塩基以上必要です。Not I などは最低でも10塩基以上必要です。
- 二次構造を作りやすい配列や、Long Sequence の場合は、一本鎖の鋳型配列を合成し、これをもとにPCRやその他のDNA Polymeraseで調整するほうが簡単です。
以下、プリントアウトして、実験ノートとしてお使い下さい。
| Protocol for Annealing Oligonucleotides |
Oligo Name :
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Lot Number :
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Total nmol :
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Volume of Annealing Buffer added :
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Oligo Name :
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Lot Number :
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Total nmol :
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Volume of Annealing Buffer added :
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Annealing Buffer : 10mM Tris, pH 7.5 - 8.0, 50mM NaCl, 1mM EDTA または通常お使いの1x Ligase Buffer or 1 x Kinase Buffer
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1xTE Buffer : 10mM Tris, pH 7.5 - 8.0, 1mM EDTA
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