マイコプラズマの検出と除去

By: Edward Burnett and Liz Penn, European Collection of Cell Culture (ECACC®)
Don Finley, Market Segment Manager, Sigma® Life Science
, Biofiles, Vol. 8, No. 18


 

細胞培養を行う者にとって、マイコプラズマによる汚染は大きな頭痛の種です。マイコプラズマは小型の単純な細菌で、細胞壁をもっていません。細胞株が汚染される原因として、最も多く、重大なものの1つです。マイコプラズマ汚染は目に見えず、たとえ108cell/mLの高密度であっても、濁度やpHに明らかな変化は認められません。マイコプラズマ感染はきわめて感染性が高いことがあります。実際、細胞培養研究における最も多いマイコプラズマの感染源は、過去に感染してラボに持ち込まれた他の培養細胞です。もう1つの主要な感染源は研究者自身です。細胞培養においてヒトマイコプラズマが主要なマイコプラズマ感染源となっているからです。マイコプラズマが問題になるのは、培養細胞に変化をもたらす可能性があるためで、例え ば増殖速度の変化、形態の変化、染色体異常、細胞代謝の変化を誘導します。実際、マイコプラズマ感染細胞株はその特性が変化していることから、異なる細胞株とみなされることがあります。

マイコプラズマ感染を予防するためには、細胞培養の優良規範(Good Cell Culture Practice)に常に従うことが最も有効です。例えば、初代培養以外では抗菌薬無添加の培地を使用することや、細胞株を受け入れた場合は、マイコプラズマが含まれないことが検査で確認されるまで区分保管するという厳密な方針を守ることなどです。培養を自身のラボ内で行っている場合でも、外部に委託している場合でも、細胞培養を行っている全てのラボにはマイコプラズマ汚染の定期的な検査を行うことをお勧めします。現在、多数のマイコプラズマ検査法が利用されており、それぞれに長短があります。英国保険保護局(HPA)Culture Collectionsでは、培養検査、DNA染色検査(Hoechst 33258)、及びPCR検査の3法を組み合わせた検査が用いられており、in vitroで増殖しないマイコプラズマ株もDNA染色とPCRによって検出することができます。培養検査の場合、生物は生存している必要がありますが、最も感度が高く(増幅ステップを含む)ほぼ全ての種を検出できるため、全てのマスターセルバンクについて行うべきです。ただし、結果が得られるまでに1ヵ月を要し、必要な培地は複雑で有効期間が比較的短く、生存する陽性対照も含める必要があります。Hoechst染色は、マイコプラズマに特異的ではない一般的なDNA染色で、細胞に吸着した汚染も検出できます。これらの結果の解釈には、問題がある場合もあります。いずれの検査法もFDAとEPによる承認を受けています。一方、PCR法は迅速で(結果が1日のうちに出ます)、比較的ハイスループットのマイコプラズマ検出法であるため、アウトブレイクが疑われた場合にはきわめて貴重かもしれません。比較的費用効率もよく、トレーニングもわずかで済みます。

生物医学研究の分野では、頑健で信頼性と再現性のあるデータを得るためには、マイコプラズマに汚染されていないことが認証された細胞株を使って研究することが必要条件です。我々シグマは、汚染されていない真正の細胞株の維持は困難であること、またこれを維持できなかった場合は悲惨な状況になることを知っています。シグマでは、一通りのマイコプラズマ検出・除去キットをご用意しています。これにより、マイコプラズマのコントロールという退屈な継続的プロセスを、きわめて効率的かつ容易に行うことができます。さらに、シグマが提供しています、認証され汚染のないECACC細胞株をご利用頂くことで、重要な細胞ベースの生物医学研究に、よいスタートを切ることができます。

マイコプラズマ検出キット一式の最新リストはこちらをご覧ください。

 

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