生体材料

デンドロンおよび超分岐ポリマー

デンドロン

bis-MPA dendron

デンドロン(図1)はくさび形をした単分散デンドリマーのセグメントであり、複数の末端基と、中心部分(focal point)に反応性の高い官能基を1つ持ちます。デンドリマー特有の性質に加えて、性質の異なる中心の官能基と表面基を利用したオルトゴナル(orthogonal)反応を行うこともできます。例えば、デンドロンをある表面や他のデンドロン1、または他の高分子2にグラフトすることが可能です。シグマ アルドリッチの2,2-ビス(ヒドロキシメチル)プロパン酸(bis-MPA)デンドロン製品は、アルキンまたはカルボン酸の中心官能基を持つ3種類のgenerationでご提供しています。アルキン官能基は、アジド化合物との触媒的な付加環化反応「クリックケミストリー」図2)に適しています。カルボン酸は、EDCを媒介としたカップリングなどでアミンと選択的に反応します。表面にある多数の水酸基は、無水物やハロゲン化アシルとの反応によってさらに誘導体化することが可能です(図3)。製品の詳細については、下記の製品表に記載のAldrich Technical Bulletin(英語版)をご覧ください。

 

dendronの反応式

図2 デンドロンのクリックケミストリー

dendronの誘導体化

図3 デンドロンの誘導体化

超分岐ポリマー

超分岐ポリマー(図4) は、デンドリマーに似た性質を持つ多分散の樹枝状高分子ですが、1段階の重合反応で合成されます。これはデンドリマーに比べると分岐が不完全で、末端官能 基の数は平均的(正確ではなく)ですが、完全なデンドリマー製品に比べてコスト効率に優れています。完全な構造が必要ない場合に超分岐ポリマーを用いるこ とで、デンドリマーの利点をはるかに低コストで利用することができます。弊社のbis-超分岐ポリマー製品は純度が高く(97%以上)、溶解しやすい凍結 乾燥粉末の状態でお届けします。

超分岐ポリマーの特徴と利点

い ずれのポリエステルデンドロン と超分岐ポリマーも、水と極性有機溶媒(メタノール、THF、DMF、DMSO)に可溶です。bis-MPA樹枝状高分子は生体適合性と生分解性を持ち、 有害な分解生成物を出さないことが確認されています。そのため、薬物輸送やその他の生体材料への応用に特に適しています4

  • 多数の末端水酸基(-OH)を持つため、無水物やハロゲン化アシルとの反応などによって、さらに化学的機能化を進めることができます。
  • 樹枝状/直線状のハイブリッド材料の汎用的な前駆体として応用できます3
  • 高度に枝分かれしているので、高溶解性かつ低粘性です(溶液および溶融状態において)。
  • 開環重合と熱硬化において、多官能性開始剤および架橋剤として有用です。
  • 紫外-可視光領域の波長に対して透明性を持ちます。

dendronの誘導体化

図4 Generation 3の超分岐 bis-MPA polyester(製品番号:686581)

 

References

  1. Wu, P. et al. Chem. Commun. 2005, 5775-5777.
  2. Gillies, E.R. et al. J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 14137-14146.
  3. Rojo et al. Bioconjugate Chem. 2003, 14, 817-823.
  4. Padilla de Jesus et al. Bioconjugate Chem. 2002, 13, 453-461.
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