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ナノ材料

蛍光シリカナノビーズ

はじめに

蛍光ナノビーズは、基礎研究と応用研究における多くの用途に大きな可能性をもたらします。近年、蛍光イメージングにおいて多様な技術が開発され、顕微鏡や診断などの分野で著しい進歩が遂げられています。しかし、これら手法で使用される光学標識の大半は、マイクロスケールサイズのものや、光学的性能や汎用性に限界がある場合があります。最近のナノサイエンスの進歩により、調整可能な光学的性質を有するナノ構造体の精密合成が可能となり、多くの研究分野においてその応用の可能性が広がっています。新たに開発された蛍光システムは、高い輝度と光安定性、調節可能なスペクトル特性、表面電荷および化学的性質、さらに生体適合性も有する非常に小さなサイズ(通常100 nm未満)の粒子です。これら新規特性により、細胞研究、高解像度顕微鏡法、薬物送達、およびセンシング技術など、その大きさが非常に重要な役割を果たす新たな応用への利用が可能となります。

ナノビーズの用途として期待される例を以下に挙げます。

  • 蛍光/共焦点顕微鏡法(超解像法を含む)
  • フローサイトメトリー
  • イメージング、センシングおよび診断
  • ナノ医薬品およびナノ毒性学

蛍光ナノビーズ

ナノスケールサイズの高輝度で安定した蛍光発光体により、光学イメージングにおいて多くの活発な研究がもたらされています。例えば、粒子イメージングが要求される高解像度用途の場合、単一粒子レベルのイメージングであっても、困難な課題というよりは標準的な手法となっており、専門家でなくとも市販装置を使用して日常的に測定を行うことができます。多くの(生体)分子で修飾することが可能な高輝度蛍光タグを容易に利用できるということは、イメージング、センシング、および診断における多数の応用開発を促進する上で欠かせない点です。また、蛍光ナノビーズの高輝度と非毒性により、固定した細胞と生きた細胞の両方で細胞内局在や標的追跡を高解像度で行うことが可能になるため、細胞/組織イメージングにおいても非常に有用です1。生物学的環境下におけるナノビーズの極めて高い光安定性から、長期的な研究が可能になります。長時間照射した後でも、ナノビーズはほとんどもしくはまったく退色を示しません。

この光安定性と高輝度は、誘導放出抑制(STED:Stimulated Emission Depletion)顕微鏡法などの超解像度イメージング法での利用を可能にする優れた特性です。Stefan W. Hell博士(2014年ノーベル賞受賞)の発明したSTED法は、蛍光色素分子の励起状態を選択的に抑制することで、光学顕微鏡の回折限界(約200 nm)を越えて蛍光画像の横方向分解能を大幅に向上させる(市販顕微鏡で30~40 nmまで)方法です。イメージングにおけるこの重要な進歩を受けて、最近、生物学および生物物理学で多数の注目すべき発見が得られています2,3。Aldrichでは、超解像STEDイメージングを可能にする、十分に特性解析された蛍光ナノビーズ(図1)を提供しており、30 nm の横方向分解能が得られます。これら用途では、正確なサイズ制御よび単分散性により、ナノビーズの実際の大きさのスケールで信頼性の高いイメージングを行うことができます。また、細胞イメージングなど、生物学的環境で超解像画像を得ることも可能です(図23)。

シリカナノビーズ分散液の外観およびTEM画像

図1)水中に分散した多色蛍光ナノビーズ(青~赤/赤外の発光)()単分散シリカナノビーズ(797952)の代表的なTEM画像

120 nm蛍光ナノビーズの共焦点顕微鏡画像

図2 スライドガラス上()およびA549細胞内部に取り込まれた()120 nm蛍光ナノビーズ(797863)の共焦点顕微鏡画像。これらのナノビーズから、非常に高輝度で安定したシグナルが得られます。生体適合性を示し、表面の化学的性質を用途に合わせて調節可能であるため、生物学的イメージングや標的薬物送達などの用途で活用されています。

25 nm蛍光ナノビーズの共焦点および超解像gSTED顕微鏡画像

図3 25 nm蛍光ナノビーズ(797901)の共焦点および超解像gSTED顕微鏡画像。ナノビーズの高輝度および光安定性により、横方向分解能の大幅な向上を容易に達成できます。これらの用途では、粒子サイズの正確な制御が非常に重要になります。また、これらナノビーズの生体適合性により、in-vitroおよびin-vivoの両システムで多様な用途が見いだされています。

蛍光ナノビーズのもう一つの重要な用途がフローサイトメトリーです。フローサイトメトリーでは、蛍光ナノビーズが高輝度であるため、標準的な機器を用いて生物学的プロセスや細胞相互作用を容易に検出することができます。受動的な細胞内部への取り込みや特異的標的化をフローサイトメトリーで追跡することができ、多色フローサイトメトリーで行うことも可能です。これらナノビーズは、特異的標的化や診断用途で使用するために抗体またはアプタマーで修飾することができます。蛍光ナノビーズは、フローサイトメトリーによるがん細胞の高感度で短時間の検出に使用されており、標準的な方法に対して検出感度が向上しています4。別の用途では、Heらにより黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)を高感度で特異的に検出する方法が開発されています5。また、ナノ医薬品およびナノ毒性学の研究においても、高輝度ナノビーズの使用によって大きな成果が得られます(図4)。

蛍光ナノビーズのフローサイトメトリーでの結果

図4 フローサイトメトリーで測定した蛍光ナノビーズの初代ヒトCD14+単球内部への取り込み。平均蛍光強度はナノビーズ濃度の関数として増加しています。

要約

このように、上述の用途においてこれら蛍光プローブの効率性と多用性が重要な特性となっています。粒子の単分散性、蛍光特性(青から赤外の発光)、表面の電荷および化学的性質(例:カルボキシル基、アミノ基、スルホン酸基)が正確に制御された、様々なサイズ(25~250 nm)の蛍光ナノビーズが入手可能であり、標的化のために適切な生物学的相互作用や特異的バイオコンジュゲーションを得ることができます。すべての蛍光ナノビーズが非常に高輝度で高い光安定性を示し、生体適合性の高さや無菌性の特徴を有しています。

イメージング材料については左記のページもご参考ください。
     

References

  1. Chu Z., Huang Y., Tao Q., Li Q. Nanoscale 2011, 3, 3291.
  2. Westphal V., Rizzoli S. O., Lauterbach M. A., Kamin D., Jahn R., Hell S. W. Science 2008, 320, 246.
  3. Eggeling C., Ringemann C., Medda R., Schwarzmann G., Sandhoff K., Polyakova S., Belov V. N., Hein B., von Middendorff C., Schönle A., Hell S. W. Nature 2009, 457,1159.
  4. Estévez M. C., O’Donoghue M. B., Chen X., Tan W. Nano Research 2009, 2, 448.
  5. He X., Li Y., He D., Wang K., Shangguan J., Shi H. Journal of Biomedical Nanotechnology 2014, 10, 1359.
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