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高分子材料

温度・pH応答性PNIPAMポリマー

Gangadhar Panambur, Ilya Koltover and Scott Batcheller
Aldrich Materials Science, Milwaukee, WI.

 

刺激応答性ポリマー

刺激応答性ポリマーは、「スマート」ポリマーもしくは「環境応答性」ポリマーとしても知られ、周囲の環境変化によってそのミクロ構造が急激に変化します。外部刺激(熱、pH、イオン強度、磁場、電場、光、超音波、化学種など)が環境の変化を引き起こし、生じた巨視的変化は可逆的であるため、そのきっかけとなる要因がなくなれば、システムは初期状態に戻ることが可能です。刺激応答性ポリマーはその物理的形状によって(a) 溶液中でフリーな直鎖状ポリマー、(b) 共有結合的に架橋された可逆性ゲル、(c) 表面吸着ポリマーもしくは表面グラフト化ポリマーに分類されます。その優れた特性から、制御された薬物送達、バイオ共役(bio-conjugation)、組織工学、バイオセンサ、バイオセパレーションなどの化学的、生物学的応用が期待されています。

 

温度およびpH応答性PNIPAMポリマー

温度およびpH応答性ポリマーは刺激応答性ポリマーの中でも特に注目されている材料です。その理由の一つに、ある病態は温度やpHの変化によって発現するため、所定の温度やpH範囲において刺激に応答するように、材料特性を容易に調整できる点が挙げられます。もっとも広く研究されている温度およびpH応答性システムはポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAM)を基盤にしたもので、さまざまなタイプのPNIPAMをベースとした温度もしくはpHに応答性をもつポリマーが開発されています。たとえば、PNIPAM末端をカルボン酸やNHSエステル、アミン、マレイミド基で官能基化することができます(図1)。さらに、NIPAMとメタクリル酸とを共重合させることで、pH応答性を付与することが可能です。また、pHおよび温度応答性ヒドロゲルは、NIPAMとアクリル酸、ジアクリルアミド架橋剤を用いて調製することができます(図2)。

末端官能基化PNIPAMの合成反応

図1 末端を官能基化したPNIPAMの合成

 

温度およびpH応答性PNIPAMの合成反応

図2 温度およびpH応答性PNIPAMの合成

 

物理化学的特性

連鎖移動剤(CTA)の濃度を変えることで分子量を制御することができます(図3)。また、PNIPAMは水溶液中で約32℃のLCSTを示しますが、適切なモノマーとNIPAMとを共重合させることでLCSTを容易に調整することが可能です(図4)。

CTAがPNIPAM-COOHの分子量に与える影響

図3 PNIPAM-COOHの合成における分子量とCTA濃度の関係
([AIBN]/[NIPAM]:0.1、温度:60℃、溶媒:THF)

 

PNIPAM共重合体の温度と透過率の関係

図4 poly(N-isopropylacrylate-co-5% methacrylic acid)の温度と透過率との関係
(1%水溶液。pH:4.46)

アルドリッチ季刊誌Material Matters Vol.5 No.3 「生物医学用材料」にてPNIPAMを用いた細胞シート工学用の温度応答性細胞培養皿についてのレビューが掲載されています。ご参考ください。

PNIPAM関連製品リスト

 
Poly(N-isopropylacrylamide) (PNIPAM) PNIPAM, amine terminated PNIPAM, carboxylic acid terminated
724459: Mn 10,000-15,000
535311: Mw 19,000-26,000
724823: average Mn 2,500
724831: average Mn 5,500
724815: average Mn 2,000
724807: average Mn 5,000
724866: average Mn 7,000
PNIPAM構造式 PNIPAM-NH2構造式 PNIPAM-COOH構造式
PNIPAM, maleimide terminated PNIPAM, N-hydroxysuccinimide (NHS) ester terminated N-Isopropylacrylamide
731048: average Mn 2,000
728632: average Mn ~5000
725668: average Mn 2,000 415324: 97%
731129: ≥99%
PNIPAM-NH-maleimide構造式 PNIPAM-NHS構造式 NIPAM構造式
Poly(N-isopropylacrylamide-co-methacrylic acid), Poly(N-isopropylacrylamide-co-methacrylic acid-co-octadecyl acrylate),
724467: 5 mol % in methacrylic acid, Mn 30,000-50,000
724858: 10 mol % in methacrylic acid, average Mn 60,000
724475: 5 mol % in methacrylic acid, 1 mol % in octadecyl acrylate, Mn 30,000-60,000
Poly(NIPAM-co-MAA)構造式 Poly(NIPAM-co-MAA-co-ODA)構造式
 
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