タンパク質標識・修飾
タンパク質はポリペプチド鎖でできており、その生物学的機能の一部は、ポリペプチド鎖全体の正しい折りたたみ、サイズおよび反応性官能基の数によって決定されます。部位特異的にタンパク質を修飾できることで、研究者は、幅広い特性およびその生物学的機能全体を調べられるようになります。タンパク質の相互作用、タンパク質の折りたたみ、タンパク質全体の構造およびその生物学的機能を調べるため、タンパク質の標識・修飾技術には蛍光色素、ビオチンおよび他の小分子を付加することが含まれます。
蛍光タンパク質標識
緑色蛍光タンパク質(GFP)の発見およびその幅広い取込みは、本技術の強力な例です。GFPおよびその対応する分子は、数多くの研究分野に多大な影響を与え、生物学的プロセスの理解を深めてきました。例えば、抗体への蛍光タグの取込みによって、組織において高度に特異的なタンパク質複合体の検出および定量が可能となり、またはELISA法やウェスタンブロット法用に、抗体-タンパク質複合体の指向性固定が可能となりました。ただし、GFPを使用することの重大な欠点は、このサイズの追加のタンパク質タグを組み込むことによってタンパク質機能が破壊される可能性があることです。この課題を回避するために、研究者はGFP、ビオチンと比較して小さい蛍光タグを使用するか、双直交性機能を含む非天然アミノ酸を組み込むことができます。
酵素とタンパク質の結合
特定の酵素やプローブの取込みは、研究者らがタンパク質を標識するもう一つの方法です。タンパク質との結合に広く使用されている酵素には、アルカリホスファターゼ(AP)および西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)などがあります。酵素タンパク質標識技術の使用には多くの利点があり、シグナルの増幅、多様なシグナルの出力が可能で、また酵素ごとに利用できる数多くの基質があります。一般的なシグナルの出力には、蛍光、化学発光が含まれ、比色計で検出します。このように多様なシグナル出力は、細胞および組織において、免疫組織染色(IHC)や免疫蛍光(IF)による検出法に適しています。
タンパク質標識技術の登場
現在、疾病研究や創薬の分野では、新たな薬剤ターゲットや可能性のある治療法を特定するため、研究者らは標的タンパク質の分解技術を精力的に研究しています。タンパク質分解誘導キメラ分子技術は、一端でターゲットとなる疾病タンパク質と結合し、もう一端はE3リガーゼタンパク質と結合するようにデザインした二機能性の分子を利用して、細胞から標的タンパク質を除去します。これら分子の広範な疾病ターゲットに対する特異性と、内部の細胞タンパク質分解システムを用いた標的タンパク質の分解能が合わさって、疾病研究にとって強力なタンパク質標識技術となっています。
関連技術資料
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