プルダウンアッセイは、2つ以上のタンパク質の相互作用を測定するように設計されています。アフィニティープルダウンアッセイでは、「ベイト」タンパク質がタグ付けされ、共有結合によって固定化リガンド(担体ビーズ)に捕捉される、または固定化金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)のようにアフィニティータグを介して捕捉されます。よく用いられるベイトタンパク質融合タグには、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)やヒスチジンタグ付きタンパク質などがあります。ベイトタンパク質が複合体を形成し、この複合体を、細胞または組織ライセートなどのタンパク質源とインキュベートします。目的とするタンパク質を一連の洗浄によってビーズ担体から溶出し、遠心分離によって回収します。アフィニティープルダウン法による精製および検出は、抗体と抗原の相互作用ではないという点において、免疫沈降(IP)法やCo-IP法と異なります。すべてのプルダウンアッセイにおいて、精製されたサンプルは多くの場合、SDS-PAGE、質量スペクトル分析、ウェスタンブロット検出により解析され、さらに下流の解析に供されます。
グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)は、ほとんどの生物に存在する、アミノ酸211個から成るタンパク質です。GSTは、E. coliタンパク質発現系において融合タグを生成するために、発現ベクターに組み込まれることがよくあります。GSTタグは約26 kDaの大きなタンパク質タグで、細菌、酵母、哺乳類、昆虫の細胞で発現させることができます。GSTタグは、組換えタンパク質を細胞内プロテアーゼによる切断から保護する場合や、タグ付きタンパク質の溶解性を高める必要がある場合に有利です。さらに、GSTタンパク質は高アフィニティータグなので、精製を容易にし、また、穏やかな溶出条件で行われる安価なアフィニティーレジンを用いたプルダウン実験にも適しています。
プルダウンアッセイは、共免疫沈降法の結果の検証に適しており、特定タンパク質の活性化状態とともに、未知のタンパク質間相互作用を発見する優れた方法です。アフィニティープルダウン法と異なり、IPでは抗体を使用して、複合生体サンプルに由来する抗原に結合し、単離します。
Co-IPとは、多タンパク質複合体の中の抗原に結合させるために抗体を用いる方法を指します。複合体は、プロテインAまたはプロテインG培地を添加して捕捉します。プロテインA/GはポリクローナルおよびモノクローナルIgG型抗体のFc領域との親和性が高いため、目的とするタンパク質またはタンパク質複合体の精製に必須の要素です。タンパク質プルダウン法の使用は、タンパク質間相互作用ネットワークの研究に必須のツールですが、具体的方法の選択は、研究者それぞれのアプリケーションニーズによって決まります。
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