融合溶解後のChromazurole Sによる石灰岩中のアルミニウム(総量)の光度測定
はじめに
石灰岩中のアルミニウム含有量のモニタリングは、さまざまな建築用途で使用される材料の品質と性能を確保するために重要です。アルミニウムは、セメント製造において石灰岩の反応性に直接影響を及ぼすため、コンクリートの凝結硬化を左右します。また、石灰岩を用いた建設材料の耐久性や強度への影響においても中心的な役割を担っています1。
石灰岩中のアルミニウムの一般的測定法には、測光分析、高周波誘導結合プラズマ(ICP)分析法、蛍光X線分析(XRE)などがあります2。測光分析は、その高い感度、迅速な分析、コスト効率、使いやすいプロセスにより、好まれています。特に建設業界において、石灰岩中のアルミニウム含有量の正確かつ効率的な分析のために選ばれる方法となっています。
実験
本アプリケーションノートでは、Spectroquant® アルミニウムセルテスト(1.00594)またはSpectroquant® アルミニウムテスト(1.14825)を用いてアルミニウムを測光定量する前の、石灰岩中の総アルミニウムのサンプル調製について説明します。
Spectroquant® アルミニウムテストを用いることで、アルミニウム含有量を短時間で簡単に測定できます。方法は、対応するSpectroquant® 光度計に事前プログラムされています。校正は不要です。測定に必要なすべての試薬はテストキットに含まれています。
方法
水酸化ナトリウムの存在下で石灰岩を熱分解して、一連の化学変換を開始します。加熱すると、石灰岩は分解して酸化カルシウムと二酸化炭素が形成されます。得られた酸化カルシウムは、続いて水酸化ナトリウムと反応して、可溶性の水酸化カルシウムが得られます。この反応により、水性環境におけるカルシウムの溶解性が高まり、飽和石灰水溶液が得られます。塩酸でpHを3~4に調整することで溶液中のイオンが安定化し、炭酸塩として沈殿することを防ぎます3,4。
このプロセス全体で、石灰岩は、後続の分析用途に適した水溶性型に効果的に変換されます。この方法は、石灰岩サンプル中のアルミニウムの測光分析にとって極めて重要です。
サンプル調製後、アルミニウムイオンは弱酸性の酢酸緩衝溶液中でChromazurole Sと反応して青紫色の化合物を形成し、この化合物を測光法で定量します。試薬ブランクは元々オレンジ色であるため、測定溶液の色はオレンジがかった赤色から赤色です。
この方法は、APHA 3500-Al BおよびDIN ISO 10566 E30に似ています。
測定範囲、テストキット、メソッド番号 | ||||
|---|---|---|---|---|
元のサンプル中の予想含有量 (関連テストキットの測定範囲) | セル | 装置 | 方法番号 | テストキット |
0.004 ~ 0.040% Al (0.020 ~ 0.200 mg/L Al) | 50 mm角型セル | Prove1) 100/300/600 plus、 Nova 60A | 43 |
|
0.01 ~ 0.12% Al (0.05 ~ 0.60 mg/L Al) | 20 mm角型セル | Prove1) 100/300/600 plus、 Nova 60A | ||
0.02 ~ 0.24% Al (0.10 ~ 1.20 mg/L Al) | 10 mm角型セル | Prove1) 100/300/600 plus、 Nova 60A | ||
0.004 ~ 0.01% Al (0.02 ~ 0.50 mg/L Al) | 16 mm丸型セル | Prove1) 100/300/600 plus、 Nova 60A | 196 | |
0.004 ~ 0.140% Al (20 ~ 700 μg/L Al) | 16 mm丸型セル | Move 100 | 20 | |
0.01 ~ 0.10% Al (0.05 ~ 0.50 mg/L Al) | 24 mm丸型セル | Move 100 | 21 | |
1)また、旧型システムSpectroquant® Prove 600/300/100は、これらの方法に対応しており、事前にプログラムされています。 | ||||
適用可能サンプル
- 石灰岩
異物の影響
サンプル溶液中の異物は、以下のように作用します:
- 反応の増幅により測定値を高めます
- 反応を阻害することで測定値を下げます
これらの影響の定量化は、最も重要な外来イオンや異物について、それぞれの添付文書において表形式で記載されています。許容限界は、個々のイオンや物質について決定されているため、累積的に評価することはできません。
不正確な方法で得られた組成であることが多い複合体(マトリックス)を含むサンプルの場合、分析において異物の潜在的影響を推定することは特に難しくなります(マトリックス効果)。以下の手順では、マトリックス効果の有無をユーザーが検査できる方法を説明しています。
試薬・装置・関連製品
テスト/試薬/キット
サンプル調製には、以下が必要です:
- 分析用天秤
- ニッケル製るつぼ
- 塩酸(発煙)37%、分析用EMSURE® ACS、ISO、Reag. Ph Eur (1.00317)
- ブンゼンバーナー
- ガラスビーカー
- 水、分析用EMSURE® (1.16754
- 水酸化ナトリウム粒状、分析用EMSURE®(1.06498)
- 200 mLメスフラスコ
- ろ紙
- ユニバーサルインジケータ―ストリップ、pH 0 ~ 14 (1.09535)
測定のために、以下のSpectroquant® テストキットのうち1つが必要です:
装置
測定のために、以下のSpectroquant® 光度計のうち1つが必要です:
- Spectroquant® UV/VIS Spectrophotometer Prove 600 plus (1.73028)
- Spectroquant® UV/VIS Spectrophotometer Prove 300 plus (1.73027)
- Spectroquant® VIS Spectrophotometer Prove 100 plus (1.73026)
- Spectroquant® Colorimeter Move 100 (1.73632)
また、旧型システムも適しています。
- Spectroquant® Spectrophotometer Prove 600/300/100
- Spectroquant® Photometer NOVA 60A
装置アクセサリー
Spectroquant® アルミニウムテスト(1.14825)には角型セルが必要です
- 角型セル(幅10 mm)(1.14946)および/または
- 角型セル(幅20 mm)(1.14947)および/または
- 角型セル(幅50 mm)(1.14944)および/または
- セミマイクロセル(幅50 mm)(1.73502)
データ転送用ソフトウェア(オプション)
Spectroquant® Prove Connect to LIMSソフトウェアパッケージを使用すると、既存のLIMSシステムにデータを簡単に転送できます。
- Prove Connect to LIMS (Y.11086)
分析手順
サンプル調製
- ニッケル製るつぼで、粉末化したサンプル約100 mgと水酸化ナトリウム8粒(1.5 g)を混合します。
- 蓋をしたるつぼを、わずかに赤くなるまでガスバーナーで30分間加熱します。
- 冷却後、るつぼの内容物を水で溶解します。このために、蓋をしたるつぼをビーカーに入れ、水浴で、溶融した塊が溶解するまで30~50 mLの分析用水とともに加熱します。超音波処理を行うと溶解が促進されます。
- 37%塩酸で溶液のpHを3~4に調整し、200 mLメスフラスコに定量的に移し、分析用水でメスアップして、よく混合します。
光度分析
この調製済みサンプルは、以下のテストキットを用いて分析できます。
添付文書またはユーザーマニュアルに記載の手順に従ってください。
測定に関する注記
調製済みサンプルに色が付いている場合、サンプル自体の測定を実施する前にサンプルブランクを測定する必要があります。このステップは、固有の色を補正するために必要です。
ユーザーマニュアルおよび添付文書に記載の手順に従ってください。
計算式
mg/L Alの単位で得られる測定結果の値は、以下のように変換する必要があります:
アルミニウム(総)含有量(%) = 分析値(mg/L Al) x 0.02
分析品質保証
各回の一連の測定の前には、分析品質保証(AQA)が推奨されます。
光度測定システム(試薬、測定装置、取扱い方法)や作業様式を確認するために、アルミニウム標準液またはSpectroquant® CombiCheck 100キットを使用できます。
0.40 mg/L Alを含む標準液に加えて、CombiCheck 100には、サンプル依存性干渉(マトリックス効果)を測定するための追加溶液も含まれています。
AQAチェックの詳細な実施方法については、装置のマニュアルをご覧ください。
分析証明書は、各バッチで提供されており、テストの製品ページからオンラインでダウンロードできます。また全バッチを対象とする品質証明書も同じく入手可能です。これらの証明書には、ISO 8466-2およびDIN 38402 A51に従って決定された性能特性が記載されています。
しかしながら、性能に影響を及ぼす可能性のある特定の要因(テスト試薬、測定装置、取扱い)がすべて特性データにおいて考慮されるように、ご自身で性能特性を決定することを推奨します。
参考文献
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