このプロトコルは、相補的配列を有する2つの一本鎖オリゴヌクレオチドのアニーリングに関するものです(図1)。加熱後に冷却を行うことで、ハイブリダイゼーションを促進します。
図1.アニーリング反応の例。加熱によってすべての水素結合が「切断」され、各オリゴヌクレオチド内の二次構造が破壊されます。続いて緩やかな冷却によって、相補的配列間に新たな水素結合が形成され、ハイブリダイゼーションが促進されます。
EDTA:エチレンジアミン四酢酸
NaCl:塩化ナトリウム
Trizma®base:Tris[トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン]のブランド名
オリゴ:オリゴヌクレオチドまたはオリゴマーの略語。オリゴヌクレオチドは、短い一本鎖DNAまたはRNA分子であり、相補的DNAまたはRNA鎖と結合して二本鎖を形成するには、アニール(加熱または融解)する必要があります。
DNAアニーリング:このページでは、すべてのオリゴヌクレオチドのアニーリング工程を紹介します。アニーリングは、RNAにも同様に使用される工程でもありますが、DNAアニーリングと呼ばれることがあります。アニーリングとは、相補的配列を有する2つの一本鎖オリゴヌクレオチドを加熱・冷却して二本鎖を形成させる工程です。加熱によってすべての水素結合が切断され、冷却によって配列間に新しい結合が形成されます。
アニーリング工程は、ヒートブロックまたはサーマルサイクラーのいずれかによる1)溶解、2)アニーリングの2つの主要ステップに分けられます。
各オリゴヌクレオチドはあらかじめ分量が測定された状態で納品されますが、最良の結果を得るために、反応ごとに各オリゴヌクレオチドを確実に等量ずつ加えられるよう、分光光度計で量を確認してください。
例
目的とする二本鎖オリゴヌクレオチドの濃度は50µMです。
*この計算は簡略化しており、100µMの溶液を調製する場合にのみ使用できます。ここでは具体例として使用しています。
ヒートブロック
サーマルサイクラー
ヒートブロックでもアニーリングは可能ですが、サーマルサイクラーではより工程の一貫性が保てます。
ヒートブロックまたはサーマルサイクラーの使用後、二本鎖オリゴヌクレオチドは使用または保管が可能な状態になっています。オリゴヌクレオチドの保管に関する詳細は、「取扱いガイドラインと安定性(Handling Guidelines & Stability)」をご参照ください。
バッファーはすべてMilli-Q®水で調製してください。
このバッファーは主にT4 DNAリガーゼとともに使用します。
このバッファーは主にT4ポリヌクレオチドキナーゼとともに使用します。
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