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質量分析によるオリゴヌクレオチドの品質管理

高い品質管理の取り組みを実現するために、MALDI-TOF MS(マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析計)とESI-MS(エレクトロスプレーイオン化質量分析計)の2種類のMSが使用されています。それぞれに長所と短所があります。メルクの各製造拠点では、主に合成されている配列の性質に応じて、いずれか1種類または両方の機器を使用しています。

MALDI-TOF MS

MALDI-TOF MSでは、レーザー光を化学マトリックスと併用してサンプルをイオン化した後、イオンを加速し、飛行管を通して検出器に到達させ、そこで粒子数を時間の関数として測定します(図1)。TOFは分子量に正比例し、分解能は約0.03%、すなわち10kDaのオリゴヌクレオチドで±3Daです。

レーザーを介して作動するMALDI-TOF MS

図1.レーザーを介して作動するMALDI-TOF MS

MALDI-TOF MSは、出荷スピードが最も重要とされる標準的なPCRプライマーのような、ハイスループットの要件に適しています。長さ50塩基未満のオリゴヌクレオチドの特性を明らかにするためには有力で効率的な技術ですが、MALDI-TOF MSには、配列が50塩基を超えると(>13kDa)、イオン化効率が低下、そして、それに伴い分解能が急激に低下するという短所があります。さらに、電荷を発生させるために使用されるレーザー光源が、感光性の修飾オリゴヌクレオチドの分析に悪影響を及ぼす可能性があります。ESI-MSを使用することで、これらの短所を回避することができます。

ESI-MS

遺伝子合成のような、50塩基を超えるオリゴヌクレオチドを必要とする用途については、これらの分子の特性を正確に明らかにできる機器へのニーズが高まっています。そのようなオリゴヌクレオチドに最適な方法が、ESI-MSです(図2)。標的分子をイオン化して複数の荷電状態にし、メインピークにデコンボリューションすることが可能な波形を作ります。荷電状態がイオンによって異なることから、この方法によって高分子量のオリゴヌクレオチドを分析することができます。さらに、イオン化条件がもともと比較的穏やかであるため、この分析法は、両末端標識プローブに使用されるレポーターおよびクエンチャー色素のような、不安定な化合物の分析に最適なツールとなります。ESI-MS装置も、質量分解能は約0.03%、すなわち10kDaのオリゴヌクレオチドで±3Daです。透過イオンと不透過イオンのESI-MSスペクトルの比較は、図3をご覧ください。MALDI-TOFとESIの比較は、表1をご覧ください。

スプレーチャンバーを介して作動するESI-MS

図2.スプレーチャンバーを介して作動するESI-MS

透過イオンと不透過イオンのMSスペクトルの比較

図3.透過イオンと不透過イオンのMSスペクトルの比較x軸は質量。

表1MALDI-TOF MSとESI-MSの比較

結論

メルクでは、MALDI-TOF MSまたはESI-MSを用いて、すべてのオリゴヌクレオチドを評価しています。さらにサポートが必要な場合は、テクニカルサービス(customjp.ts@merckgroup.com)までご相談ください。

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