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Amicon Ultra遠心式フィルターによる迅速な抗体濃縮

はじめに

免疫グロブリンの精製プロトコルには通常、プロテインAまたはGクロマトグラフィー担体に対するアフィニティー結合、非結合タンパク質の洗浄、低pHバッファーによる溶出が含まれます。これによって得られる精製抗体は、その後の研究や長期保管のためには濃度が低すぎることが多くあります。抗体の濃縮やタンパク質の活性を維持するバッファーへの交換には、しばしば透析が必要です。限外ろ過を行った場合、透析と同様の結果をさらに高速で得ることができます。免疫グロブリンの回収率は最大99%で、ワンステップでの脱塩が可能です(濃縮、脱塩、バッファー交換のプロトコル参照)。

方法と結果

Prosep® A、Prosep® G Montage®抗体精製キット、およびAmicon Ultra-15 mL遠心式フィルターによるウサギIgGの精製および濃縮。

A. Montage®キットによるIgGの精製

  1. Prosep® AまたはProsep® G樹脂を結合バッファー10 mLで平衡化し、500 xgで5分間遠心します
  2. 0.22 µm Steriflip® GPフィルターを使って血清サンプルをプレろ過(清澄化)します。
  3. サンプルを結合バッファーAで1:1で希釈し、このデバイスを100~150 x gで20分間遠心します。
  4. スピンカラムを結合バッファーA 20 mLで洗浄し、カラムを500 x gで5分間遠心することで非結合の夾雑物を除去します。
  5. 中和バッファー1.3 mLを入れて新たに用意した遠沈管に溶出バッファーB2 10 mLを添加し、サンプルを溶出します。
  6. 適切な濃度測定法(280 nmでのUV吸光度など)を用いてサンプルの総タンパク質濃度を測定します。

B.Amicon Ultra-15 30kDa MWCOデバイスを用いたIgGの濃縮

  1. 中和した溶出画分をAmicon Ultra 15 mL 30 kDa MWCOデバイスに添加します。
  2. サンプルが目的の濃度になるまで、スイングバケットローターを使って4000 xgで、または固定角ローターを使って5000 xgで10~20分間遠心します。
Amicon Ultra-15デバイスを用いたウサギIgGの濃縮。Montage PROSEP<sup>®</sup>-AまたはPROSEP<sup>®</sup>-G抗体精製キットを使ってIgGを精製しました。折れ線グラフからIgGが減少していることが、一方で棒グラフからは、それに比例して20分の遠心後にIgG濃度が増加していることがわかる。

図1.Amicon™ Ultra-15デバイスを用いたウサギIgGの濃縮。Montage PROSEP®-AまたはPROSEP®-G抗体精製キットを使ってIgGを精製した。折れ線グラフからIgGが減少していることが、一方で棒グラフからは、それに比例して20分の遠心後にIgG濃度が増加していることがわかる。

Amicon™ Ultra-15デバイスを用いた濃縮前後の精製ウサギIgGのSDS-PAGE

図2.Amicon Ultra-15デバイスを用いた濃縮前後の精製ウサギIgGのSDS-PAGE。

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