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有機合成化学

Pinc:N-(イソシアミノ)トリフェニルホスホランを用いたヘテロ環および環状ペプチドの形成

イソシアニド類は有機合成で広く用いられている試薬で、材料科学から創薬まで幅広いアプリケーションに及んでいます。イソシアニドの末端炭素は求核剤と求電子剤の双方と結合を形成するため、多成分反応に容易に用いることができます。イソシアニド由来の反応中間体を捕捉できるため、イソシアニド基の近傍に求核性および求電子性の官能基を付与することで新しい反応の発見につながることがあります。N-(イソシアミノ)ホスホラン類はそのような試薬の例で、正に帯電したリン原子と両性のイソシアニド炭素原子との間に求核性のアミドが挟まれています。

Pincの構造

Pinc(900555)は、Fehlhammerらによってイソジアゾメタン-遷移金属錯体の前駆体として開発されましたが1、近年、ヘテロ環合成への有用性が報告されています。Ramazaniらは、このホスホランがアミン、アルデヒド、カルボン酸と4成分のUgi反応に類似した反応を起こすことを見出しました2。この過程では、Ugi反応に特徴的な鍵となる酸無水物混合物をPincのアミド窒素が捕捉します。トリフェニルホスフィンオキシドが脱離して1,3,4-オキサジアゾールが得られます。

Ugi反応

Yudinらは最近、Pinc がペプチドの大環状化に利用できることを示しました3。環形成前の中間体両末端の静電相互作用が、効率的な閉環を促進していると考えられています。生成される大環状骨格にオキサジアゾールが組み込まれ、環内の立体構造を制御します。これにより、溶液中で環の立体構造が一つに固定され、生物学的特性の最適化が可能になります。重要なことに、得られるペプチド模倣体の大環状環は、膜透過性、親油性、水溶解度が向上しています3

Pincの利点:

  • 実験室環境で安定な固体
  • 環化と、大環状ペプチドへの立体構造制御因子の組み込みを同時に促進
  • 両性を持つため、新しい多成分反応の設計が可能
  • 薬物に要求される、細胞透過性と堅牢な立体構造を有する環状ペプチドを創製可能

Pinc反応

Pinc を利用することによりオキサジアゾール類を形成できます。また、ベンチトップで安定なこの試薬が持つ特有の反応性を利用して新しい変換反応の開発が期待されます。

Technology Spotlightに本記事をご寄稿いただいた、Solomon Appavoo氏とAndrei Yudin氏に感謝いたします。Pinc に関するC&ENの記事もあわせてご覧ください。→ "Cyclic peptides with heterocycles are cell membrane-permeable" C&EN 2016, Volume 94 Issue 43, p. 8

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Pinc については左記のページもご参考ください。
     

References

  1. Fehlhammer, P.W., B. Weinberger Angew. Chem. Int. Ed. 1980, 19, 480.
  2. Ramazani, A. et al. Org. Lett, 2010, 12, 2852.
  3. Frost, J., C. Scully, A.K. Yudin, Nat. Chem. 2016, 8, 1105.
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