抗体101 (抗体基礎知識)

クロマチン免疫沈降法(ChIP)トラブルシューティング

問題1:陰性コントロール(IgGまたはモックによるIP)サンプルのバックグラウンドが高い

考えられる原因1:過剰な抗体によって標的以外への結合が生じている

解決法:抗体の濃度を最適化します

考えられる原因2:ビーズへの非特異的結合

解決法:ビーズの事前洗浄を実施するか、またはブロッキング剤をビーズに添加します。

考えられる原因3:クロマチンの断片化が不完全である

解決法:断片化工程を最適化し、クロマチンの長さを200~1,000 bpにします。各細胞や組織の種類について、それぞれ断片化を最適化します。シリコン処理したチューブ、または低吸着チューブを用います。

考えられる原因4:試薬が汚染されている

解決法1:すべての試薬が新しく調製されており、夾雑物を含有していないことを確認します。洗浄回数を増やします。

解決法2:サンプルに核酸が混入していないかどうかを判定するために、「DNAなし」でPCR反応を実施します。

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問題2:「DNAなし」のPCR反応でシグナルが認められる

考えられる原因1:試薬が汚染されている

解決法1:PCR専用のピペットを用い、PCRのセットアップ前にピペットをUV照射します。

解決法2:ChIP、DNA精製、PCR反応のセットアップを、それぞれ別の3室/区域で、専用のピペットを用いて実施するか、反応をフード内でセットアップします。

解決法3:ボトルに入った水など、事前に包装された水の使用は避けます。UV光源を備えたシステムから新たに供給されたMilli-Q水を用います。

解決法4:エアロゾル耐性ピペットチップを用います。

解決法5:増幅したPCR産物を含有するチューブは、その後ChIPまたはqPCR実験を実施する場所の近くでは開封しないようにします。

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問題3:DNAの回収率が少ない

考えられる原因1:ChIP抗体が無効、または親和性が低い

解決法:ChIPにおいて検証済みの抗体を用いていることを確認しましょう。ChIP抗体を用いている場合は、抗体のインキュベーション時間を延長します。

考えられる原因2:ChIP抗体が不十分である

解決法:通常、ChIP抗体は1~10 μgで十分です。しかし、抗体の必要量は、標的タンパク質の相対的な存在量や、標的に対する抗体の親和性によって異なる場合があります。

考えられる原因3:初期サンプルが不十分である

解決法:架橋前に、細胞数を判定するために別のプレートを調製します。1反応あたりの細胞数を再評価します。特に存在量が少ない標的を検出しようとしている場合には、細胞数を増やします。

考えられる原因4:細胞溶解が不完全、または断片化が無効である

解決法:パラメータを変え、クロマチンの回収率に対する影響を評価することによって、これらのステップを最適化します。細胞溶解を改善するため、ダウンス型ホモジナイザーやガラスビーズなどの機械力を用います。断片化のステップを最適化し、泡沫化を避けます。

考えられる原因5:架橋が過剰である

解決法:ホルムアルデヒド中で長時間インキュベーションすると、ChIP抗体による認識に必要なエピトープが遮蔽されてしまう恐れがあります。モノクローナル抗体を用いている場合、これは特に問題となります。過剰な架橋によって、超音波処理に耐性がある複合体が形成されてしまう場合もあります。架橋のステップを最適化します:ホルムアルデヒドの最終濃度は1%とし、実験を進める前に、最も有効な架橋時間を判定する必要があります。

考えられる原因6:架橋が不十分である

解決法:架橋が不十分であると、プロトコールのその後のステップにおいて標的タンパク質がDNAから解離してしまう場合があります。ヒストンやヒストン修飾を研究しているのではない限り、標的タンパク質とDNAの結合を安定化するために、X-ChIPプロトコールを用いる必要があります。架橋時間を延長します。

考えられる原因7:親和性が低い、またはビーズの品質が低い

解決法:プロテインG磁気ビーズは、マウスモノクローナル抗体を含む広範な抗体に結合します。抗体を最も柔軟に選択するためには、プロテイン A/G ブレンド(カタログ番号16-663)をお勧めします。

考えられる原因8:PCRプライマーのプライミング効率が低い

解決法:プライマーの効率を試験します。適切なコントロールを用い、必要に応じてプライマーを設計し直します。

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