問題1:ブロットが縞状になっている
明らかなバンドではなく、スメアが認められます。
これは各ウェルに泳動したサンプル中のタンパク質量が多すぎることが原因です。
考えられる原因1:ゲルに泳動したタンパク質が過剰である
解決法:タンパク質濃度を正確に測定し、泳動するタンパク質の量を減らします。
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問題2:ブロットが不鮮明、またはぼやけている
考えられる原因1:ゲルの平衡化が不適切であり、ブロット中に縮んでしまった
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問題3:シグナルが検出されない
解決法:ゲルに泳動する抗原を増やすか、または泳動前にサンプルを濃縮する、またはゲルに泳動する標的タンパク質の量を増やすために免疫沈降法を用います。
考えられる原因2:抗原が破壊されている可能性がある
解決法:電気泳動用の処理によってサンプルの抗原性が破壊されていないか確認します。
考えられる原因3:メンブレンのストリッピングおよび、リプロービングが行われている
解決法:リプロービング中に抗原が失われている可能性があります。
考えられる原因6:検出前のブロットの保存中にタンパク質が分解されてしまった
解決法1:一次抗体の濃度、インキュベーション時間、および温度を最適化します。
解決法2:特定のアプリケーションに際して、試薬濃度を上げインキュベーション時間を延長します(および最適化します)。
解決法3:検出試薬が適切に保存されており、指示どおりに使用されていることを確認します。
考えられる原因9:化学発光基質の活性が失われてしまっている
解決法:少量の作業溶液(1 mL)を調製し、暗室で1 mL のHRP 標識体を添加します。化学発光基質が正常であれば視覚可能な青い光が認められるはずです。
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問題4:シグナルが弱い
考えられる原因1:「シグナルが検出されない」の項をご参照ください
考えられる原因2:ゲル上のタンパク質量が不十分である
解決法1:ゲルに泳動するタンパク質を増やすか、または泳動前にサンプルを濃縮する、またはゲルに泳動する標的タンパク質の量を増やすために免疫沈降法を用います。
解決法2:フィルムの露光時間を延長します(1~2時間)。
解決法3:メンブレンへのタンパク質の転写不良が疑われる場合には、転写バッファーのpH、メンブレンの種類や電位などの転写条件を最適化します。
考えられる原因3:タンパク質がメンブレンを通過してしまっている
解決法:目的タンパク質が低分子量(< 20 kDa)の場合、孔径0.2 μm のメンブレンImmobilon-PSQ(カタログ番号 ISEQ00010 他)を選択することをお勧めします。
考えられる原因4:目的のタンパク質の量に対してブロッキングタンパク質が多すぎる(オーバーブロッキング)
解決法:ブロッキングタンパク質の濃度を下げます。濃度5% のスキムミルクでは検出できなかったバンドが、0.5%、0.05% のもので検出できるようになることがあります。
考えられる原因5:目的タンパク質に対する抗体の検出感度が低い
解決法:より高感度の検出試薬Immobilon ECL Ultra Western HRP Substrate(カタログ番号 WBULS0100) 、もしくはシグナル増強剤Immobilon Signal Enhancer (カタログ番号 WBSH0500) を使用します。
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問題5:非特異的なバンドがある
考えられる原因1:SDS による、固定されたタンパク質のバンドへの非特異的結合
解決法:転写後に、ブロットを撹拌しながらよく洗浄します。
考えられる原因2:抗体(一次または二次)濃度が高すぎる
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問題6:バンドが拡散している
考えられる原因1:ゲルに泳動したタンパク質が多すぎる
考えられる原因2:抗体(一次または二次)濃度が高すぎる
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問題7:バントが白く抜ける(リバースウェスタン)
考えられる原因1:サンプルタンパク質量が多いサンプルが発現量の多いタンパク質、精製タンパク質の場合など
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問題8:部分的に現像された区域や、何もない区域がある
考えられる原因1:ゲルからのタンパク質の転写が不完全である
解決法1:転写中にゲルとメンブレンの間にある気泡を取り除きます。
解決法2:ブロッキング前に、Ponceau S ( カタログ番号 114275) で膜を染色してタンパク質の転写をチェックします。
解決法3:ストリッピング中にメンブレンが重なり合わないように、メンブレンを別々にインキュベーションします。
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問題9:ポンソー染色したブロットの染色が不良である
解決法1 :ブロッティングサンドイッチを作製する際、丁寧に気泡を除去します。
解決法2:エレクトロブロッティングの間に温度が過剰になり、気泡またはゲル/メンブレンの歪みが生じていないか確認します。
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問題10:ポンソー染色したブロットの染色が認められない
考えられる原因1:ウェスタンブロット中にタンパク質が転写されなかった
解決法:機器(ボックス、トップ、電源)の設定を確認します。
考えられる原因2:ゲルとメンブレンがブロット中に適切に接触していない
解決法:メンブレンがゲルの正しい面の上にあることを確認します。
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問題11:バックグラウンドが高く、均一である
バックグランドが高すぎる例。
このブロットは適切に洗浄されていません。
解決法1:手順を通して、メンブレンがしっかりと濡れたままであることを確認します。
解決法2:すべてのインキュベーション中には撹拌するようにします。メンブレンの取扱いに気を付けましょう―メンブレンを傷つけると、非特異的結合が生じる恐れがあります。
解決法3:メンブレンを素手で取り扱わないようにします。グローブを着用しましょう!
解決法4:常に清潔なグローブを着用するか、メンブレン用ピンセット(カタログ番号 XX6200006P)を用います。
考えられる原因2:抗体(一次または二次)濃度が高すぎる
解決法:一次抗体または二次抗体のいずれかの希釈率を下げる、またはインキュベーション時間を短縮します。
考えられる原因3:適切なブロッキング剤が用いられていない
考えられる原因4:非特異的部位のブロッキングが不十分である
考えられる原因5:抗体が、ブロッキング剤中のタンパク質と交差反応している
解決法1:別のブロッキング剤を用います。一次抗体を、その他のタンパク質を含まないブロッキング剤で希釈します。
解決法2:アビジン‐ ビオチンシステムを用いる場合は、メンブレンのブロッキングにスキムミルクは使用しません。
解決法3:新しく調製したブロッキング剤を用います。
解決法1:ブロットをフィルムに露光する時間を短縮します。
解決法2:フィルムの露光時間を最短にします(最初の15秒の露光で十分な場合もあります)。露光時間が短すぎると不便である場合は、抗体濃度を下げます。
解決法3:フィルムに再度露光する前に、ブロットをカセット内で5~10分放置します。
解決法1:洗浄回数や、使用するバッファーの容量を増やします。
解決法2:バッファーにTween-20が含まれていない場合、Tween-20を添加します。例えば、PBS-T (カタログ番号 524653)、あるいはTBS-T(カタログ番号 524753) を使用します。
解決法3:ブロッキング剤のTween-20濃度を0.1% に上げます。
解決法4:Tween-20含有バッファーでの洗浄でも不十分な場合、塩化ナトリウム(最大0.5 M)およびSDS(最大0.02%)を添加したPBS あるいはTBS などのバッファーで、二次抗体反応後に30 分間振とう洗浄を行います。
考えられる原因8:バッファーのコンタミネーションまたは細菌の増殖
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問題12:バックグランドが染みだらけ、または斑が入っている
考えられる原因1:抗体(一次または二次)濃度が高すぎる
解決法:抗体濃度を最適化します。一次/二次抗体の濃度が高すぎると、高いバックグラウンドが生じる場合があります。
考えられる原因2:HRP 標識抗体の凝集の形成によって小斑点が生じる
解決法:標識抗体を、孔径0.2 μ m のメンブレン(カタログ番号 SLGVJ13SL)でろ過します。
考えられる原因3:適切なブロッキング剤が用いられていない
考えられる原因4:非特異的部位のブロッキングが不十分である
解決法1:ブロッキング剤の濃度を上げます。
解決法2:ブロッキング時間および/または温度を最適化します。
解決法3:ブロッキング剤にTween-20が含まれていない場合、Tween-20を添加します。Tween-20の濃度は0.05% が推奨されています。
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