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DOZN™グリーンケミストリーの定量的な評価指標

DOZN™ツールは、グリーンケミストリーの12原則を用いて、類似する化学物質、合成経路、化学プロセスの相対的な環境への配慮の度合いを比較する、業界初の定量的なツールです。

私たちは、これらのグリーンケミストリーの12原則を、資源利用の改善、エネルギーのより有効な利用、人間と環境への有害性の最小化という3つの主要カテゴリーにまとめています。現時点では、原材料のライフサイクルインパクト(すなわち原材料の抽出、前処理、製造)を組み込んでいませんが、そのような材料の有害性と有効利用を考慮しています。製品パフォーマンスに関する結果をお客様と共有し、製品がどのように12原則のそれぞれに準拠し、3つの主要カテゴリーの範囲内に収まるかを実証しています。

DOZN™ツールでは、データを用いて、私たちのビジネスにおいて、またお客様が、環境負荷の低減、化学的効率の向上、サステナビリティの促進について、情報に基づいた決定を下せるように支援します。

グリーンケミストリーの12原則のアルゴリズム

1.防止:

原則1は、プロセスに投入されるすべての原材料(反応物および補助剤)と、生成される目的生成物との関係を考慮することによって、資源効率への総合的なアプローチを推進するものです。2、5、8、9などのその他の原則は、資源効率への特定要素またはアプローチを推進するものです。私たちは、より望ましい廃棄物管理方法とあまり望ましくない廃棄物管理方法に、異なる重みをつけることができるようなアプローチを模索しています。

原則1はすべての投入原材料に焦点を合わせていますが、私たちは、目的生成物の生成に用いる反応物の量を削減する機会を見出すことに焦点を合わせた、原則2へのアプローチを策定しました。

原則3、4、5では、化学合成のさまざまな要素、特にここで詳しく述べる原材料、生成物、溶媒の量と毒性の両方を評価します。

原則3へのアプローチとして、生成物1 kgあたりに使用される原材料の平均量および毒性を低減します。私たちはさまざまな形の毒性を認識しており、アプローチをGHSに準拠させています。GHSに準拠させることにより、データ収集プロセスの効率と国際適合性の両方を最適化しています。

原則3では毒性の低い投入原材料の使用に焦点を合わせ、原則4については同じGHSに基づくアプローチにより、生成される生成物の毒性に焦点を合わせています。化学プロセスは複数の生成物(「副生成物」)を生み出す場合があるため、この原則に取り組む際には、生成物と副生成物の毒性を十分に考慮しています。

私たちは原則3および4に用いるアプローチを強化し、生成物1 kgあたりに使用される溶媒やその他の分離剤の量および毒性の低減に焦点を合わせています。

私たちは合成段階が常圧・常温から逸脱する時間の長さを考慮することによって、エネルギーインパクトの推定を行っています。

私たちは実行可能であれば、再生可能資源の利用を優先します。この原則については、少なくとも、生物由来の資源が使用されているかどうかを列記します。

それぞれの化学修飾段階で追加の試薬が必要となり、廃棄物が発生する場合があると私たちは考えています。この原則については、化学修飾による廃棄物の削減を直接または代用データによって列記する手順の策定を目指しています。

この原則については、触媒の使用による廃棄物の削減を直接または代用データによって列記する手順の策定を目指しています。原則9は原則2を補完する役割を果たし、触媒使用の特定経路を介してアトムエコノミーの改善を推進するものであると考えられます。

私たちは原則10については、製品が易生分解性であるかどうかや、生分解生成物の危険有害性を考慮する必要があるという認識をもって取り組んでいます。親生成物および分解生成物については、GHSの環境に対する有害性の基準を履行しません。

原則11については、プロセス分析化学(例えば、リアルタイムのインプロセス分析によりプロセス温度またはpHなどの変化を検出すること)を組み込み、プロセス段階の数値を認識するアプローチを取り入れています。計画からの逸脱を早めに修正することにより、そのプロセスで追加の廃棄物、あるいは追加の危険有害性が生じる可能性は低くなると私たちは考えています。

原則12の意義は、生成物1 kgあたりの原材料の平均物理化学的危険性を低減することにあります。爆発性、可燃性、酸化能、腐食性などのさまざまな危険有害性の種類にわたって、GHSの物理化学的危険性基準を採用しています。

ケーススタディ:β-アミラーゼ

β-アミラーゼは、一般にサツマイモに含まれる酵素であり、でんぷんを加水分解して糖を生成します。DOZN™ツールを用いて、β-アミラーゼ製造プロセスを、エネルギー効率が高く危険有害性のない、効率および収率が向上したプロセスにリエンジニアリング(再設計)することができました。これにより、DOZN™スコアは57から1に低下しました。

β-アミラーゼのプロセス改善に関するDOZN™スコアカードをご覧ください