CoMoCAT® プロセスにより製造された単層カーボンナノチューブ(SWCNT:single-walled carbon nanotube)の分散およびバンドルとよばれる束状構造の剥離は、SouthWest NanoTechnologies(SWeNT®)社およびオクラホマ大学において幅広く研究されています1。SWCNTの分散に用いられる手順は、溶液濃度、安定性、個々のナノチューブの割合などの最終分散液の特性に大きな影響を与えます。バンドルの一部分しか剥離していない状態のナノチューブの分散液が得られるとしても、目的としては剥離したナノチューブの分散液を調製する点にあります。SWCNTの共有結合的および非共有結合的安定化を含めた多くのアプローチを用いることで、SWCNTの安定で均一な分散液を調製することができます。非共有結合的アプローチは、ナノチューブの表面構造と性質をそのまま残すことができるため、特に関心を集めています。
一般的な分散手順では、界面活性剤をSWCNT表面に吸着させ、溶液を超音波処理することで、カーボンナノチューブの一本化または剥離を行います。界面活性剤分子に覆われた個々のナノチューブの密度は水とほぼ同じであるため、単離したSWCNTから炭素質不純物とSWCNTバンドルを分離するには、20,000~170,000 x g での遠心分離が必要になります。より小さなバンドルは、追加の超音波処理(任意)で分離することが可能で、分散液に含まれる分離したナノチューブの割合を増やすことができます(図1参照)。
図1.ナノチューブのバンドルからの分離機構の提案2
界面活性剤原液 - コール酸ナトリウム(C6445)の脱イオン水溶液を調製します(2 mg/mL)。代わりに使用できる界面活性剤には、デオキシコール酸ナトリウム(D6750)やドデシル硫酸ナトリウム(SDS、436143)があります。
図2.剥離したカイラリティ(6,5)および(7,6)の単層カーボンナノチューブ(それぞれ704148、704121)の光学吸収スペクトル
To continue reading please sign in or create an account.
Don't Have An Account?