ライブラリー調製は、次世代シーケンシングの最初のステップです。DNAまたはRNAサンプルのシーケンシングを行うには、事前に核酸を単離、断片化、および終端修復してから、ライゲーションまたはタグメンテーションの手法を用いてアダプターと共有結合させる必要があります。十分に準備されたNGSライブラリーの複雑さは、サンプルの複雑さを慎重かつ正確に反映する必要がありますが、ライブラリーの準備中に導入されたバイアスも反映します。次世代シーケンシング用のDNAまたはRNAライブラリーを準備する際の重要な目標は、PCRまたはその他の増幅によって引き起こされるバイアスを減らしながら複雑さを最大化することです。
ワークフローを簡素化し、サンプルの複雑さを正確に表す高品質のDNAまたはRNAライブラリーの準備を容易にすると同時に、全ゲノムシーケンス(WGS)、全トランスクリプトーム分析(WTA)、トータルRNAシーケンスおよびmiRNAおよびsmall RNAシーケンスアプリケーションのバイアスを低減するように設計されたNGSライブラリー準備ツールのポートフォリオを提供します。
DNAライブラリー調製では、細胞、組織、またはその他のサンプルタイプから高分子量ゲノムDNA(gDNA)を抽出する必要があります。精製されたゲノムDNAのせん断、生物学的/化学的夾雑物を最小限に抑えなければ、その後の増幅やシーケンシングの反応において最適な性能が得られません。
Fire Monkey™/Fire Flower™高分子量DNA抽出キットは、せん断を最小限にして分子量核酸夾雑物を低レベルに抑えた、高純度ゲノムDNAの単離を可能にします。
DNAシーケンス分析は、利用できるサンプルが少量なことや、抽出収率が低いことにより制限を受けることがよくあります。得られる出発物質に制限がある場合は、出発DNAを増量するための増幅技術が利用できます。Whole genome amplification (WGA)を使用すると、インタクトDNAと断片化が進んだDNAの両方のサンプルを、NGSワークフローにインプットするために予備増幅できます。
SeqPlex-I WGAキットでは、少量のDNAや分解した/断片化が進んだDNAを、Illumina®次世代シーケンシング(NGS)フロー細胞に直接インプットするために増幅できます。
全ゲノム増幅用のSeqPlex Enhanced DNA Amplification キットは、極めて少量のDNAや分解した/断片化が進んだDNAから容易に次世代シーケンシングを実行できるようにデザインされています。このキットは、Illumina®、SOLiD™、または454シーケンシングワークフローに適用できるように開発されました。
RNA-Seq用NGSライブラリーの調製における主な目的は、バイアスを低く抑えながら、シーケンスの出発プールを完全に表せるようにトランスクリプトームライブラリーの複雑性を最大化することです。ハイスループットな遺伝子発現プロファイリングとトランスクリプトーム分析の場合は、出発RNAが少量なことからRNA-Seqは通常困難を伴います。Whole transcriptome amplification (WTA)を用いれば、少量のRNAから十分な量のシーケンシングターゲットを生成できますが、ライブラリーバイアスを低く抑えるために、特定のmRNAを喪失または変形させない高性能の転写/複写が必要となります。
SeqPlex-I WTAキットは、少量の逆転写されたRNAや分解したDNAを、Illumina®次世代シーケンシング(NGS)フロー細胞に直接インプットするための増幅を可能にします。
全トランスクリプトーム増幅(WTA)用SeqPlex RNA Amplification キットは、少量のRNAや分解した/断片化が進んだRNA(ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織サンプルからのRNAなど)から、次世代シーケンシング(NGS)を容易に実行できるようにデザインされています。SeqPlexキットは、RNAサンプルをNGSワークフローにインプットするための予備増幅を可能にします。
miRNA、siRNA、およびpiRNAなどの低分子RNAの研究に革命をもたらしたNGS技術は、遺伝子発現の転写後調節に極めて重要な役割を果たすことが証明されています。低分子RNAのシーケンシングは、低分子RNAの発見とプロファイリングにとってますます一般的な手法になってきました。しかし、低分子RNAライブラリーの調製法では、特にアダプターライゲーション手順の際に重大なバイアスが入り込むおそれがあります。
RealSeq®-AC RNAライブラリー調製キットは、NGSに入り込むバイアスを低減できるmiRNAおよび低分子RNAシーケンシングライブラリーを調製するための新たな方法を提供します。新しい単独のアダプターと環状化を用いることにより、RealSeq®はライブラリー調製バイアスを大幅に削減します。この技術により、一般に使用されるシーケンシングライブラリー調製では多くのmiRNAを検出できなくなるという問題が解決されます。
NGSライブラリークリーンナップは、シーケンシングアダプター、PCRプライマー、dNTP、酵素、およびバッファーの夾雑物の除去に関与すると同時に、下流シーケンシングに適したサイズ範囲の核酸の選択を可能にします。ライブラリークリーンナップ法により、収率と発見率が最大化され、生物学的/化学的夾雑物が最小限に抑えられ、シーケンシングのための調製において望ましくない核酸断片やライブラリー分子が除去されます。
HighPrep™ PCR Clean-up System は、効果的なDNA断片の精製と、サイズに応じた単位複製配列の選択のためにデザインされた、常磁性ビーズベースのPCR後クリーンナップ試薬です。DNA断片は磁性ビーズ粒子と選択的に結合するため、この精製では塩、プライマー、プライマーダイマー、およびdNTPが除去されます。磁性ビーズは、NGSのための種々のライブラリー調製化学反応に使用されます。
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